研究課題/領域番号 |
63420051
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
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研究分担者 |
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
森川 博由 東京大学, 工学部, 助手 (40011217)
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
亀田 弘之 東京工科大学, 工学部, 講師 (00194994)
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キーワード | 知識表現 / 文章音声合成 / フレ-ム構造 / 文章生成 / 単音・韻律記号生成 / 統語・談話構造 / タ-ミナル・アナログ型音声合成器 / 声帯音源波形 |
研究概要 |
本研究は、計算機で取り扱うことのできる知識表現を入力として、これを共通語で正しく発声された連続音声に変換し、出力するシステムを構築することを目的とするもので、(1)概念表現生成、(2)言語表現生成、(3)音声(単音・韻律)記号生成、(4)音声波形生成、(5)システム化、の5つの課題の解決をめざしている。本年度は前年度の成果をふまえ、(3)、(4)に重点を置いて研究を進め、以下の実績をあげた。 1.フレ-ム構造で表現した知識をから、下記2.の形式の統語構造・談話構造を含む天気概況文章を生成する手法を開発した。 2.統語構造を文、連接、節、句、ICRLB(左枝分かれ境界のみを含み右枝分かれ境界で区切られる韻律語連鎖)の境界で、談話構造を韻律語の3段階の重要度で、表わした上で、これらの情報と韻律語の文法的性質とアクセント型とから、単音・韻律記号列を導出する規則を作成し、計算機アルゴリズムとして構築した。さらに、合成音声の聴取によって、規則の妥当性を検証した。 3.生成機構の異なる音声ごとに個別の直列型合成回路を有し、声帯音源・摩擦音源・破裂音源の3種の音源波形を持つタ-ミナル・アナログ型音声合成器を新しく提案し、計算機上に構成した。なお、声帯音源波形は多項式近似による独自のもので、実際の波形の高精度近似が可能である。これにより各音節の合成を行ったところ、特に、破裂音について、従来と比較して明瞭度の著しい向上がみられた。 4.上記3.のタ-ミナル・アナログ型音声合成器のための音節蓄積パタ-ンを、自然音声の分析結果に基づいて、各音節について作成した、さらに、蓄積パタ-ンを接続して連続音声の特徴パラメ-タ時系列を生成する接続プログラムを作成した。 以上、研究は、ほぼ当初の計画通りに進行している。
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