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1988 年度 実績報告書

照射損傷要素過程の抽出とモデル化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63420053
研究機関東京大学

研究代表者

石野 栞  東京大学, 工学部, 教授 (70010733)

研究分担者 高橋 直明  東京大学, 工学部, 講師 (80010966)
岩田 修一  東京大学, 工学部, 助教授 (50124665)
河西 寛  東京大学, 工学部, 助手 (40010970)
関村 直人  東京大学, 工学部, 講師 (10183055)
キーワード照射損傷 / ミクロ組織変化 / 水素 / ヘリウム / 照射誘起析出
研究概要

本年度は、照射損傷要素過程の抽出とモデル化に関する基礎的知見を得ることを目的とし、純バナジウムおよびnearαチタン合金(Ti-6242SとTi-811)に重照射によるミクロ組織・組成変化に及ぼす軽元素の影響を中心とした実験研究を進めた。バナジウムについては、3MeVNi^<2+>単一ビーム照射及びNi^<2+>とH^+の二重ビーム照射と照射温度500℃〜700℃で50dpaまで行い、透過型電子顕微鏡(JEM-2000FX)によりミクロ組織観察を行うと同時に析出物の組成を分析した。バナジウムについて得られた知見を以下にまとめる。(1)イオン照射下での水素同時注入によりキャビティ核生成が促進されることが判明した。(2)TEMの回析像およびEDSによる組成分析の結果、各照射温度試料で観察された析出物がV_3Niであることを確認した。また、その析出物のキャビティ核生成、成長に対する影響について検討した。以上より、同時注入による水素および析出物がバナジウムの照射下での寸法安定性に大きな影響を与えることが結論された。チタン合金は、両種試料に対し400℃、500℃で3MeVNi^<2+>単一ビーム照射、400℃〜600℃で4MeVNi^<3+>とHe^+二重ビーム照射を行った。照射後は同様にTEM観察とEDS分析を行った。実験結果からは試料の種類による照射下挙動の差異は認められず、各々の試料について他に以下のことがわかった。(1)同時照射されたヘリウムはα相中でキャビティの核生成を大きく促す。またβ相はα相より耐スエリング性に優れている。(2)析出物はヘリウムの有無に関わらず照射下で形成し、その挙動は照射温度にのみ依存する。またその組成はTi_3A1であると考えられる。(3)溶質原子の照射誘起偏析は認められなかった。(4)転位組織の発達には照射条件の各パラメータの寄与はみられなかった。以上より、nearαチタン合金ではヘリウム同時照射により寸法安定性が大きな影響を受けることが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Naoto Sekimura: Journal of Nuclear Materials. 155-157. 828-832 (1988)

  • [文献書誌] Naoto Sekimura: Journal of Nuclear Materials. 155-157. 1217-1221 (1988)

  • [文献書誌] Hiroshi Kawanishi: Journal of Nuclear Materials. 155-157. 887-890 (1988)

  • [文献書誌] Naoto Sekimura: Annual Report of Engineering Research Institute,Faculty of Engineering,University of Tokyo. 47. 259-264 (1988)

  • [文献書誌] Shiori Ishino: Fusion Engineering and Design. 7. (1989)

  • [文献書誌] Naoto Sekimura: ASTM-STP.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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