1 孔内測器の完成:日本海大和海盆の水深約2900mの海底下700m余に設置するための広帯域デジタル地震観測システムを完成させた。3成分のフィ-ドバック型加速度計の信号は16ビット2ゲインにディジタイズされケ-ブル中を伝送される。このデ-タは少なくとも10km以上の距離を伝送可能である。信号は船上でリアルタイム記録、もしくは海底のレコ-ダによりオフライン記録される。 2 孔内測器の秋田沖への設置:孔内地震計を設置する海底孔は国際深海掘削計画第128次航海により掘削された。また同船により孔内測器は設置、固定された。 3 リアルタイム人工地震実験の実施:孔内地震計の信号を掘削船上で連続記録中に、東京大学海洋研究所研究船淡青丸がエアガンによる人工地震を発して掘削孔周辺の精密3次元地殻構造調査を実施した。海底地震計9台をアレ-配置して従来より精度の高いデ-タを得た。 4 長期オフライン観測実験の開始:上記実験終了の後、海底にイベントリガ-記録方式の記録システムおよび電源部、そして回収のためのロ-プおよびレリ-ストランスポンダ-を設置した。地震デ-タは大中地震を対象にしているほかバックグラウンドとして間隔をおいて一定時間のノイズデ-タも得る。デ-タは種々のサンプリングレ-トで記録される。孔内からのデ-タは80Hz/Chであるが、これを20Hz40分間、1Hz2時間(自然地震の場合)収録する。総量は60MBである。近い将来このデ-タを回収し改良し再設置して観測の継続を図ることにより従来観測不可能だったデ-タを蓄積させる予定である。
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