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1989 年度 実績報告書

超熱分子ビ-ムを用いた固体表面反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63430001
研究機関東北大学

研究代表者

楠 勲  東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)

研究分担者 村上 純一  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00157752)
キーワード分子ビ-ム / イオンビ-ム / 表面 / シリコン / シリコン酸化反応 / 飛行時間法
研究概要

分子(またはイオン)ビ-ムを用いた、表面反応機構を明らかにする目的で、今年度はシリコン単結晶表面と酸素および水分子との反応について研究した。シリコン表面は超高真空下でイオン衝撃や加熱によって清浄化した。イオンビ-ム法では100〜1000電子ボルトのイオンで表面を衝撃し、散乱イオンと二次放出原子の運動エネルギ-を飛行時間法で分析することによって、表面原子についての情報を得ることができた。主として調べた系は、ネオンイオンビ-ムで水分子と作用したシリコン(001)面から脱離粒子の飛行時間スペクトルである。スペクトルでは4本のピ-クがみられたが、それらはそれぞれ表面のシリコン原子による散乱ネオンと、玉つきのようにはじき出された水素および酸素原子によるものと同定した。この方法は最上層の原子に敏感な新しい表面分析法として注目される。また、表面からの脱離粒子の電荷を区別することもできるので、表面における電荷交換反応につていも情報を得ることができる。
実験では、水を吸着したシリコン表面を昇温する過程で水素および酸素が脱離して清浄化する様子が観測でき、表面から出てゆくイオンと中性原子の割合が、酸素の被覆率と共に変化する現象を発見した。また、出てゆくネオンと酸素のそれぞれのイオン化率には逆相関があることも判明した。しかし、これらの実験結果の詳細な解析には、理論的なシュミレ-ションを必要とするので、将来の課題として残された。
分子ビ-ムの実験では、加熱したシリコン表面に酸素分子ビ-ムを照射し、生成した一酸化シリコン分子の脱離の時間変化を質量分析計で追跡した。このような方法は分子線緩和法と呼ばれる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 楠勲: "SiC Film Formation on Si(001)by Reaction with C_2H_2 Beams" Applied Surface Science.

  • [文献書誌] 村上純一: "Ion Scattering and Surface Recoiling from a Si Surface by Low Energy Ne^+ Bombardment" Vacuum.

  • [文献書誌] 楠勲: "Stepping motor for Uae in UHV" Vacuum.

  • [文献書誌] 山下晃一: "Ab Initio Potcntial Energy Surfaces of ChargeーTransfer Reactions:F^++CO→F+CO^+" J.Chem.Phys.

  • [文献書誌] 田沼肇: "Observation of SiteーSpecific Electronic Excitation in Li^+ーCO Collisions near Threshold" Chem.Phys.Letters.159. 442-446 (1989)

  • [文献書誌] 村上純一: "Secondary Emission of AlkaliーMetal Ions from Metal Surfaces by Low Energy Ion Bonbardment" Nucl.Inotr.and Meth.B33. 560-563 (1988)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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