研究課題/領域番号 |
63430005
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
右田 俊彦 群馬大学, 工学部, 教授 (40008412)
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研究分担者 |
佐野 寛 群馬大学, 工学部, 助手 (40162523)
小杉 正紀 群馬大学, 工学部, 助教授 (60008464)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 有機スズ化合物 / 複素環の連結 / exo-cis=置換ノルボルナン / クロスカップリング / C-C結合形成 / トランスメタル化 / 四塩化チタン |
研究概要 |
有機スズ化合物とハロゲン化物のカップリング反応の発見を端緒として、有機スズ化合物の反応試薬としての有用性を確立する研究を行い、カップリング反応の適用性と拡張、有機スズ化合物をカルボニル基質に付加させる手段について次のような成果を得た。 1.Pd(0)を触媒とするカップリングの複素環系への適用 ブロモベンゼンに対してPd(PPh_3)_4を触媒としてカップリングし得た有機スズ化合物はすべて、複素環系ハロゲン化物と収率よく反応するが、ブロモベンゼンとのカップリングにPdCl_2(Po tol_3)_2触媒を必要としたスズ試剤は複素環ハロゲン化物と反応しなかった。複素環スズ化合物は複素環基のよい供与体であり、これと複素環ハロゲン化物とのカップリングは複素環連結のよい手段となりうる。 2.遷移金属錯体を触媒とする三成分系カップリング 有機スズとハロゲン化物のカップリングに、イソニトリルまたはノルボルネンの第3基質の挿入を含ませた、三成分系カップリングを行ないそれぞれ、イミンおよびexo-cis=置換ノルボルナンを得ることができた。 3.チタンとのトランスメタル化を経るカルボニルへの付加 β-位に金属をもつカルボニル系化合物は一般には安定でなく三員環化をおこすが、相当するスズ化合物は安定に調製しうる。そこでこれを反応剤として用いカルボニル基質に付加させれば、ホモエノラ-トによる新しい炭素-炭素結合形成が可能になる。β-位にスタンニル基をもつエステル、アミド、および或る種のケトンさらにこれらの窒素類縁体等はTiCl_4とトランスメタル化をおこし、生じたTi-ホモエノラ-トがアルデヒドに付加しうることを見出した。この反応はTi-ホモエノラ-トが0またはN原子のTiへの配位によって安定な五員環形成をなしうるとき、期待しうることがわかった。
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