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1989 年度 実績報告書

担子菌の生産する生理活性物質の単離、構造決定、合成

研究課題

研究課題/領域番号 63430007
研究機関北海道大学

研究代表者

白濱 晴久  北海道大学, 理学部, 教授 (00000802)

研究分担者 柳屋 光俊  北海道大学, 理学部, 助手 (20000846)
キーワード担子菌 / 過酸化脂質生成阻害活性 / アクロメリン酸 / カイノイド / 神経興奮性アシノ酸 / グルタメ-ト / ドクササコ / オオワライタケ
研究概要

1)ハナイグチより過酸化脂質生成阻害活性を示すボレグレビロ-ルを単離しその構造を1ーアセトキシー6ーゲラニルゲラニルー2、4ージハイドロオキシベンゼンと決定した。2)ドクササコにはアクロメリン酸よりも更に毒性が強いと思われる物質が含まれているが、これはより微量なのでミルワ-ムを使ったアッセイで分画を進めており、糖のようなNMRを与える強い毒分画を得ている。この分画中に4ーアミノピリジンー2、3ージカルボン酸を単離し、構造を決定した。3)アクロメリン酸(AA)と同様な強い神経興奮作用をもち、しかもより合成し易い化合物として、AAのピリドンカルボン酸部分をフェノ-ルに置き換えた物質を想定し、これを合成した。窒素の片側は2ー(2ーアミノエチル)ーベンツアルデヒドにし、もう一方はビニルグリシノ-ルになるような二級アミンを合成し、ベンツアルデヒドの光エノル化によって得たジエンとビニル基のジ-ルズアルダ-反応を行い、望ましい形に置換されたプロリンを合成した。この際ビニルグリシノ-ルのNとOHを環状カルバメ-トとして保護すると反応は完全に立体選択的に進行し、一挙に望ましい立体配置をもつものを得た。この後官能基を整えて得たカイノイドは、フェノ-ルの形でAAーAとAAーBの中間程度の強さの神経興奮性を示し、メトキシフェニルとしたものではAAーAの数倍の活性を示した。これは現在知られている物の中最強の活性物質である。また、4ートシロキシプロリンの3位にカルボキシメチル基を導入したものにジフェニル銅リチウムを作用させるとTsoーが立体保持でフェニル基と置換する。この反応を鍵反応としてフェニルカイノイドを合成した。この物質はカイニン酸程度の活性を示した。この方法はプロリン核の4位に種々の置換基をもつカイノイドの合成法として有用である。4)オオワライタケ毒成分を探索中に得られた4、6ーデカジインー1、3、8ートリオ-ルの絶対配置を、絶対配置既知のものから、分解産物を合成することにより(3S、8S)と決定した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Hashimoto,T.Okuno,M.Yanagiya,H.Shirahama: "The Absolute Configuration 4,6-decadiyn-1,3,6-triol Isolated from Gymnopilus spectabilis" Bull.Chem.Soc.Jpn.62. 2751-2752 (1989)

  • [文献書誌] M.Yanagida,K.Hashimoto,M.Ishida,H.Shinozaki,H.Shirahama: "Synthesis of Acyclic Analogues of Kainoids and Neuroexcitatory Activity" Tetrahedron Lett.30. 3799-3802 (1989)

  • [文献書誌] T.Hayashi,A.Kanetoshi,M.Ikura,H.Shirahama: "Bolegrevillol,a New Lipid Peroxidation Inhibitor from the Edible Mushroom Siullus grevillei" Chem.Pharm.Bull.37. 1424-1425 (1989)

  • [文献書誌] F.Hirayama,K.Konno,H.Shirahama,T.Matsumo: "4ーAminopyridine-2,3-dicarboxylic Acid from Clitocybe acromelalga" Phytochemistry. 28. 1133-1135 (1989)

  • [文献書誌] H.Shirahama,K.Hashimoto,M.Yanagida,M.Horikawa: "″Chemistry of Glutamate Analogues″Amino Acids:Chemistry,Biology and Medicine;G.Lubec,G.A.Rosenthal Eds.p.38--45" ESCOM Science Publisher, 8 (1989)

  • [文献書誌] K.Hashimoto,H.Shirahama: "″Synthesis and Neuroexcitatory Activity of New Kainoids″Amino Acids:Chemistry,Biology and Medicine;G.Lubec,G.A.Rosenthal Eds.p.566--572" ESCOM Science Publisher, 7 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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