研究課題/領域番号 |
63430010
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齋藤 太郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90011006)
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研究分担者 |
山縣 恒明 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (70166594)
井本 英夫 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20168529)
龍野 睦宜 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (70029479)
谷 一英 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (60029444)
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キーワード | カルコゲンドクラスター錯体 / クラスター / シェブレル相 / 超伝導 |
研究概要 |
本研究は3核クラスター化合物の縮合による三角形多面体(デルタヘドロン)骨格を有する金属クラスター化合物の一般的合成法の開発と生成物の構造解析を目的とした。中でも化合物超伝導体として最も重要なものの一つであるシェブレル相における構造単位Mo_6X_3骨格を持つ分子状クラスター化合物の組織的合成をおこない、酸化状態とクラスター構造における金属ー金属結合距離および多面体の歪みの関係、クラスター分子軌道と電子スペクトルおよび磁性の関係を明らかにすることを主目的としている。 本年度は[Mo_3X_4Cl_4(PR_3)_5](X=S,Se)の還元二量化反応による6核クラスター錯体[Mo_6X_8(PEt_3)_6]1合成における最適条合を見出し、合成法を確立した。このうちセレン誘導体の単結晶X線造解析をおこない、流黄誘導体と比較した結果、セレン誘導体の方がMoーMo距離が長いことを見出した。従来の理論では固体シェブレル相Mo_6X_8において逆に流黄誘導体の方が距離が大きいことを、流黄とセレンの電気陰性度の差に帰していたが、このことが誤りであることが明らかになった。1のサイクリックボルタンメトリーから可逆的1電子酸化および2電子環元が可能であることが示された。そこでナトリウムアマルガムによる化学的環元をおこない、1電子環元されたクラスター錯体(PPN)[Mo_6X_8-(PEt_3)_6](X=S,Se)を合成単離し、それらの単結晶X線構造解析をおこなった。1電子環元によりクラスター骨格が正八面体からわずかに歪み、Mo-Mo結合距離もわずかに長くなることが明らかになった。電子スペクトル測定、分子軌道計算からこの歪みの原因がヤーンテラー型のものであることが結論づけられる。
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