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1988 年度 実績報告書

固体内リチウムイオンの拡散挙動の解明とリチウム二次電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63430015
研究機関京都大学

研究代表者

竹原 善一郎  京都大学, 工学部, 教授 (00025892)

研究分担者 内本 喜晴  京都大学, 工学部, 助手 (50193909)
内藤 静雄  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (70089118)
小久見 善八  京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
岩崎 又衛  京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (10160102)
端野 朝康  京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (50027124)
キーワードリチウムイオンの拡散 / プラズマ重合 / 化学気相成長法 / イオン伝導性有機薄膜 / 二硫化モリブデン薄膜 / リチウム二次電池
研究概要

固体内におけるリチウムの拡散挙動について混合導電性(イオン導電性と電子電導性)を有するMoS_2及びイオン導電性を有する有機化合物に関して薄膜の合成を試みた。MoS_2は、化学気相成長法(CVD)による薄膜化を試みたところ、MoCl_5とHaSを原料ガスとして用い1 torrの減圧下400℃で反応させることにより、ステンレス基板上に析出させることができた。生成した膜をX線回折法、光電子分光分析、電子顕微鏡、X線マイクロアナライザーによって分析したところ均一な組成を有するMoS_2薄膜が生成していることがわかった。この薄膜中のリチウムイオンの拡散を電気化学的手法を用いて調べた。MoS_2の場合固体でのリチウムの拡散はFickの拡散方程式に従う場合と従わない場合とがあった。これは、リチウムの固相内への侵入に伴ってMoS_2の構造が大きく変化したためで、変化後の拡散定数は変化以前に比較して2オーダー程度大きくなることがわかった。一方、イオン伝導性有機薄膜を作製するためにオクタメチルシクロテトラシロキサンをプラズマ重合して薄膜を作製した。この膜はイオン性のキャリヤーを含まなくイオン伝導性を持たない。そこで、これに過塩素酸リチウムを複合させた。ポリシロキサンはガラス転移点が低いために高分子のセグメント運動が活発で、高分子内でのイオンの移動に適していることがわかった。しかし、シロキサンは極性が低いためにイオン性物質を保持させにくくまた解離させにくい。そこで、イオン伝導性を向上させるために可塑剤として極性の高いエーテル結合酸素を含むプロピレンオキシドオリゴマー(平均分子量4000)をポリマー中に分散させた。これにより、複合膜はイオン伝導性を示した。その値は室温で10^<-6>Scm^<-1>の導電率を達成しする事ができた。また、プラズマ重合によって作製した膜は基板に対する密着性がよく、ピンホールも認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Z.Ogumi;Y.Uchimoto;Y.Kanamori;Z.Takehara: J.Electrochemical Society. 135. 2649-2650 (1988)

  • [文献書誌] Z.Ogumi;Y.Uchimoto;Z.Tahehara: J.Electrochemical Society. 136. 625-630 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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