1990 年度実績報告書

高分子電解質溶液及びゲルの粘弾性

研究課題

研究課題/領域番号	63430019
研究機関	名古屋大学
研究代表者	野田一郎名古屋大学, 工学部, 教授 (30023055)
研究分担者	高橋良彰名古屋大学, 工学部, 助手 (40188066) 室賀嘉夫名古屋大学, 工学部, 助手 (00115643) 松下裕秀名古屋大学, 工学部, 講師 (60157302)
キーワード	高分子電解質 / ポリNメチル2ビニルピリジニウムクロライド / 準希薄溶液 / 絡み領域 / 零ずり粘度 / 定常状態コンプライアンス / 管模型 / 網目高分子
研究概要	本年度の研究計画に従い、高分子電解質溶液の粘弾性測定、架橋高分子試料の調製、キャラクタリゼ-ション及び粘弾性測定をおこなった。以下にその結果を記す。 1)高分子電解質溶液の粘弾性:分子量の異なる試料を用いて0.5M、0.1M、0.01M NaCl水溶液中での粘弾性デ-タで不足している点を補い、更に添加塩濃度の低い極限である無塩系について広い高分子濃度範囲で測定した。その結果、絡み領域の定常状態コンプライアンスの濃度依存性は、分子量、添加塩濃度に依らず、非電解質高分子よりやや低い-1.3乗程度になることが明らかとなった。又、絡み領域における、無塩系の零ずり粘度の高分子濃度依存性は1.5乗、分子量依存性は3乗となることが明らかとなった。本年度を含む、これまでに明らかにしてきた絡み領域における一連の挙動は、高分子濃度変化に伴い、高分子の対イオンの濃度が変化し、これにより絡み形成が影響を受けることを考慮すれば説明できることが明らかになった。 2)モデル架橋高分子試料の調製、キャラクタリゼ-ション及び粘弾性測定:架橋反応がより穏やかに進行すると考えられる三官能及び四官能架橋剤を使用し、アニオン重合法で合成した両末端活性のポリスチレンの反応条件を、得られた架橋試料の膨潤を調べることにより検討した。その結果、種々の反応条件の比較により、プレポリマ-濃度を高くしておいて、そこへ希薄なカップリング剤溶液を一度に大量に加えることが効果的であることが分かった。また、プレポリマ-の分子量の小さなものでは、巨視的なゲルが得られ難いことが分かった。なお、架橋反応に対する溶媒の極性の影響は殆ど見られなかった。膨潤実験の結果からは、見かけの架橋点間分子量がプレポリマ-の分子量の7〜10倍程度となるが、これは実験精度にも問題があると思われる。

研究成果
(10件)

すべてその他

すべて文献書誌 (10件)

[文献書誌] 高橋良彰: "Effects of Form Birefringence of Polymer Solutions in Semidilute Regions" Polymer Journal. 21. 815-820 (1989)
[文献書誌] 山口昌賢: "Preparation and Intrinsic Viscosity of Poly(Nーmethylー2ーvinylpyridinium chloride) with Narrow Molecular Weight Distribution" Polymer Journal. 22. 1077-1083 (1990)
[文献書誌] 高橋良彰: "θ温度以下の高分子溶液の粘弾性" 日本レオロジ-学会誌. 19. (1991)
[文献書誌] 山口昌賢: "ZeroーShear Viscosity of Block Copolymers in Semidilute Solutions" Polymer Journal. 23. (1991)
[文献書誌] 山口昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions 1.ZeroーShear Viscosity" Macromolecules.
[文献書誌] 山口昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions" Macromolecules.
[文献書誌] 山口昌賢: "ブロック共重合体溶液の粘度" 第39回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 39. 1254 (1990)
[文献書誌] 山口昌賢: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第39回高分子討論会高分子学会予稿集. 39. 4265-4267 (1990)
[文献書誌] 服部賢一: "三次元網目モデル高分子の合成とキャラクタリゼ-ション" 第40回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 40. (1991)
[文献書誌] 長谷寛之: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第40回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 40. (1991)

1990 年度 実績報告書

高分子電解質溶液及びゲルの粘弾性

研究代表者

野田 一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023055)

研究成果

[文献書誌] 高橋 良彰: "Effects of Form Birefringence of Polymer Solutions in Semidilute Regions" Polymer Journal. 21. 815-820 (1989)

[文献書誌] 山口 昌賢: "Preparation and Intrinsic Viscosity of Poly(Nーmethylー2ーvinylpyridinium chloride) with Narrow Molecular Weight Distribution" Polymer Journal. 22. 1077-1083 (1990)

[文献書誌] 高橋 良彰: "θ温度以下の高分子溶液の粘弾性" 日本レオロジ-学会誌. 19. (1991)

[文献書誌] 山口 昌賢: "ZeroーShear Viscosity of Block Copolymers in Semidilute Solutions" Polymer Journal. 23. (1991)

[文献書誌] 山口 昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions 1.ZeroーShear Viscosity" Macromolecules.

[文献書誌] 山口 昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions" Macromolecules.

[文献書誌] 山口 昌賢: "ブロック共重合体溶液の粘度" 第39回高分子学会年次大会 高分子学会予稿集. 39. 1254 (1990)

[文献書誌] 山口 昌賢: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第39回高分子討論会 高分子学会予稿集. 39. 4265-4267 (1990)

[文献書誌] 服部 賢一: "三次元網目モデル高分子の合成とキャラクタリゼ-ション" 第40回高分子学会年次大会 高分子学会予稿集. 40. (1991)

[文献書誌] 長谷 寛之: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第40回高分子学会年次大会 高分子学会予稿集. 40. (1991)

1990 年度実績報告書

野田一郎名古屋大学, 工学部, 教授 (30023055)

[文献書誌] 高橋良彰: "Effects of Form Birefringence of Polymer Solutions in Semidilute Regions" Polymer Journal. 21. 815-820 (1989)

[文献書誌] 山口昌賢: "Preparation and Intrinsic Viscosity of Poly(Nーmethylー2ーvinylpyridinium chloride) with Narrow Molecular Weight Distribution" Polymer Journal. 22. 1077-1083 (1990)

[文献書誌] 高橋良彰: "θ温度以下の高分子溶液の粘弾性" 日本レオロジ-学会誌. 19. (1991)

[文献書誌] 山口昌賢: "ZeroーShear Viscosity of Block Copolymers in Semidilute Solutions" Polymer Journal. 23. (1991)

[文献書誌] 山口昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions 1.ZeroーShear Viscosity" Macromolecules.

[文献書誌] 山口昌賢: "Viscoelastic Properties of Polyelectrolyte Solutions" Macromolecules.

[文献書誌] 山口昌賢: "ブロック共重合体溶液の粘度" 第39回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 39. 1254 (1990)

[文献書誌] 山口昌賢: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第39回高分子討論会高分子学会予稿集. 39. 4265-4267 (1990)

[文献書誌] 服部賢一: "三次元網目モデル高分子の合成とキャラクタリゼ-ション" 第40回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 40. (1991)

[文献書誌] 長谷寛之: "高分子電解質溶液の粘弾性" 第40回高分子学会年次大会高分子学会予稿集. 40. (1991)