1.無血清培地におけるハイブリドーマの培養により、選択的重水素ラベルモノクローナル抗体を生産するプロトコールを確立した。 2.ダンシル、17ーαーOHープレグネノロン、アセチルコリン、リゾチーム、SSIに対するモノクローナル抗体の重水素ラベルを続々と完了し、^1HNMRによる研究を開始した。 3.^<13>Cラベルモノクローナル抗体の作製を開始した。すでにメチオニンー1ー^<13>Cラベル抗ダンシルモノクローナル抗体については、ダブルラベル法によりシグナル帰属を行いつつある。この研究は、主鎖についての直接的知見を与えるものであり、今後大々的に発展させたいと考えている。 4.抗原抗体反応はきわめて多様である。種々の大きさの抗原を用いて抗体との反応様式を解析した。その結果ハプテンが単に、硬い構造の抗原結合部位に吸込まれて、運動性を失う場合のほか、ハプテンとの結合によって、抗原結合部位のflexibilityが顕著に変化する場合があること、タンパク質抗原であるリゾチームは、抗原結合部位にゆるくふたをしているなど、抗原結合の多様性が次第に明らかになりつつある。
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