1990 年度実績報告書

蛋白質立体構造予測への人工知能的アプロ-チ

研究課題

研究課題/領域番号	63430023
研究機関	京都大学
研究代表者	郷信広京都大学, 理学部, 教授 (50011549)
研究分担者	片岡洋右京都大学, 理学部, 助手 (30025407)
キーワード	蛋白質 / 立体構造予測 / 立体構造要素 / 二次構造 / ダイナミックス
研究概要	久保田コンピュ-タ社製TITANグラフィックワ-クステイション及びサンマイクロシステムズ社製SUN3/260ワ-クステ-ションを中心とする蛋白質立体構造解析人工知能システムを本研究課題で設置構築し、これを最大限に活用することにより次の成果を得た。構造予測の問題の内、最も難しいのが、アミノ酸配列情報のみが与えられている場合である。この場合は従来の物理化学的原理に基づく方法は、基本的な困難を抱えていて簡単な解決は存在しないと、過去30年間のこの分野の研究から考えられるに至っている。そこで本研究では今までの方法とは本質的に異なるアプロ-チとして、生物進化を基礎にするパタ-ン認識の方法の可能性を試みることにした。そのために球状蛋白質中のポリペプチドフラグメントの主鎖立体構造の分布を調べた。その結果クラスタ-状の分布が見いだされた。これによって主鎖構造の定量的分類法を導くことが出来る。構造予測の問題の内、部位特異的アミノ酸置換に伴う構造変化を予測する問題は最も簡単な問題であるが、この場合は構造変化をそれに伴って起こる機能変化を説明し得る精度で予測することが求められている。ところが、一つのアミノ酸置換に伴う構造変化は一般に小さく、室温に於ける構造揺らぎの振幅以下である。従って予測すべきことは、アミノ酸置換にともなう動的構造の変化である。そこで動的構造を記述する方向に研究を進めた。その結果、球状蛋白質の立体構造の動きには、基準振動解析で理解できる固体的な側面と、急冷によってガラス状態を生み出すような液体的な側面があることが明らかにされた。

研究成果
(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] H.Taketomi,F.Kano and N.Go: "The effect of amino acid substitution on protein foldingーand unfoldingーtransition studied by computer simulation" Biopolymers. 27. 527-559 (1988)
[文献書誌] T.Noguti and N.Go: "Structural Basis of Hierarchical Multiple Substates of a protein" Proteins. 5. 97-138 (1989)
[文献書誌] N.Go: "A Theorem on Amplitudes of Thermal Atomic Fluctuations in Large Molecules Assuming Specific Conformations Calculated by Normal Mode Analysis" Biophysical Chemistry. 35. 105-112 (1990)
[文献書誌] A.Kidera and N.Go: "Refinement of Protein Dynamic Structure:Normal Mode Refinement" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 3718-3722 (1990)
[文献書誌] J.F.Gibrat and N.Go: "Normal Mode Analysis of Human Lysozyme:Study of the Relative Motion of the Two Domains and Characterization of the Harmonic Motion" Proteins. 8. 258-279 (1990)
[文献書誌] Y.Seno and N.Go: "Deoxymyoglobin Studied by the Conformational Normal Mode Analysis" J.Mol.Biol.216. 95-126 (1990)
[文献書誌] 木寺詔紀,郷信広: "分子生物学の進歩第3巻" 丸善出版, 14 (1990)
[文献書誌] 郷信広: "実験化学講座3 基本操作III「コンピュ-タ利用」" 丸善出版, (1991)

1990 年度 実績報告書

蛋白質立体構造予測への人工知能的アプロ-チ

研究代表者

郷 信広 京都大学, 理学部, 教授 (50011549)

研究成果

[文献書誌] H.Taketomi,F.Kano and N.Go: "The effect of amino acid substitution on protein foldingーand unfoldingーtransition studied by computer simulation" Biopolymers. 27. 527-559 (1988)

[文献書誌] T.Noguti and N.Go: "Structural Basis of Hierarchical Multiple Substates of a protein" Proteins. 5. 97-138 (1989)

[文献書誌] N.Go: "A Theorem on Amplitudes of Thermal Atomic Fluctuations in Large Molecules Assuming Specific Conformations Calculated by Normal Mode Analysis" Biophysical Chemistry. 35. 105-112 (1990)

[文献書誌] A.Kidera and N.Go: "Refinement of Protein Dynamic Structure:Normal Mode Refinement" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 3718-3722 (1990)

[文献書誌] J.F.Gibrat and N.Go: "Normal Mode Analysis of Human Lysozyme:Study of the Relative Motion of the Two Domains and Characterization of the Harmonic Motion" Proteins. 8. 258-279 (1990)

[文献書誌] Y.Seno and N.Go: "Deoxymyoglobin Studied by the Conformational Normal Mode Analysis" J.Mol.Biol.216. 95-126 (1990)

[文献書誌] 木寺 詔紀,郷 信広: "分子生物学の進歩 第3巻" 丸善出版, 14 (1990)

[文献書誌] 郷 信広: "実験化学講座3 基本操作III「コンピュ-タ利用」" 丸善出版, (1991)

1990 年度実績報告書

郷信広京都大学, 理学部, 教授 (50011549)

[文献書誌] 木寺詔紀,郷信広: "分子生物学の進歩第3巻" 丸善出版, 14 (1990)

[文献書誌] 郷信広: "実験化学講座3 基本操作III「コンピュ-タ利用」" 丸善出版, (1991)