研究概要 |
(A)1)受容体型チロシンキナ-ゼをコ-ドするがん遺伝子v-rosをプロ-ブとして、5種類のC.elegansのゲノム遺伝子が得られ、染色体上の異る領域にマップされた(kin-5〜9)。これらに対応するcDNAを分離し、塩基配列を決定した結果、いずれもチロシンキナ-ゼをコ-ドしていること、少くとも2つ(kinー7,8)は膜貫通部をもつ受容体型であることが推定された。2)polyA^+RNAのNorthern hybridizationにより、kin-7の4.3kb mRNAが検出された。3)米国P.Stenbergらとの協同研究により、kin-7遺伝子を含むいくつかのDNA断片がlet-23変異を相補することが判明した。この結果から、kinー7はlet-23と同じ遺伝子である可能性が高い。4)kin-5,kin-7 mRNAをin vitroにおいて特異的に切断するリボザイムを構築した。これらの遺伝子に熱誘導タンパク質hsp16-41/2のプロモ-タ-を付したプラスミドを構築し、マ-カ-遺伝子rol-6とともにC.elegansに徴量注入した。kin-7リボザイム遺伝子をもつ形質転換体が2系統得られた。これらの熱誘導後の形質等を解析している。5)ラットGタンパン質alphaサブユニットのcDNAと強い相同性をもつC.elegansのゲノムクロ-ンの塩基配列を決定している。(B)1)71種のunc変異株の運動に対する16種類の薬剤の影響を調べたが、野性型のそれと著るしく違うものは見出されなかった。2)0.2mMのクロルプロマジンに耐性の変異株が12系統得られた。(C)Mu+5ミュ-テ-タ-と連関しているトランスポゾンTc1(#55)を導入したC.elegansを6系統得て調べている。このTc1がトランスポジションを起すことを証明したい。(D)1)EMS処理したdaf-6株より、温度走性変異株(ttx)を15種類分離した。2系統は好熱性、7系統は好冷性、6系統は無走性である。2)これらの変異のマッピングを行っているks-14(LGII)、ksー4(LGIII)、ksー5(LGX)が推定された。
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