研究課題/領域番号 |
63440006
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
木村 政昭 琉球大学, 理学部, 助教授 (20112443)
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研究分担者 |
上田 誠也 東京大学, 地震研究所, 教授 (60011459)
大森 保 琉球大学, 理学部, 助教授 (00045022)
加藤 祐三 琉球大学, 理学部, 助教授 (70004372)
山里 清 琉球大学, 理学部, 教授 (80044973)
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キーワード | 背弧海盆 / 沖繩トラフ / 熱水性鉱床 / 熱水性ベントシステム / 熱水性マウンド / 熱水性生物 / 琉球弧 / 陸橋 |
研究概要 |
当該研究初年度に当たる1988年には、「しんかい2000」潜航調査を含む他グル-プとの連携調査により、沖繩トラフの軸方向約500kmにわたる範囲内にある、奄西海丘、伊平屋海凹、伊是名海穴の3地点で、大洋中央海嶺系に匹敵する活動的なベントシステムが発見された。中でも、中部沖繩トラフの伊是名海穴では、黒鉱鉱床と酷似した鉱床が現在形成されていることが確認された。それらは、多量のラジウムートリウムが含まれ、研究者らの分析では、金が最高12ppm、銀が7700ppmと世界の海底熱水性鉱床では最高の値を示した。 2年度にあたる1989年度には、とうとう、伊是名海穴でブラックスモ-カ-が発見され、また、そこからかなり離れた地点の潜航調査を行い、新たな熱水性ベントシステムも見出した。これにより、少なくとも伊是名海穴内では相当広範囲にわたって鉱化作用を受けていることが確認された。当年度は以上の調査にさきがけて、科学研究費で新たに購入した深海カメラによる海底撮影が成功し大きな成果を得ることができた。同様に、熱水域の周縁にあたる琉球海嶺上の慶良間鞍部の水深900mの海底で、露出した琉球石灰岩と思われる写真の撮影に成功した。これは、昔、琉球列島が大陸と地続きであった、陸橋の沈水した部分と思われる。これまでは、人類考古学・哺乳動物化石等から推定されていただけであるが、これにより、琉球列島最後の沈水した陸橋の実体が明かにされる可能性がでてきた。それと同時に、今後当域の基盤岩の採取を行えば、沖繩トラフがいつ形成されたかが明かになる見通しがでた。
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