研究課題/領域番号 |
63440007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 元吉 東京大学, 農学部, 教授 (90134501)
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研究分担者 |
笹原 健夫 山形大学, 農学部, 教授 (20005606)
中元 朋美 東京大学, 農学部, 助手 (50180419)
稲永 忍 東京大学, 農学部, 助教授 (40124664)
山元 皓二 東京大学, 農学部, 助教授 (70011971)
松崎 昭夫 東京大学, 農学部, 助教授 (50107405)
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キーワード | イネ / 品質育種 / 突然変異誘発法 / 登熟特性 / 粒内成分 / 品種間差異 / 貯蔵タンパク質 / 良食味性 |
研究概要 |
昨年度の結果をふまえて各自、研究を進展させた。 (1)イネ穀粒品質の遺伝変異と登熟特性との相関解析:【○!1】登熟過程における籾穀と枝梗の老化を比較してみると、籾穀の老化が速く、このような傾向は栽培条件では変わりにくい特性であった。80品種について検討し、これらの特性の品種間差異を見出した。【○!2】^<13>Cと^<15>Nを用い、登熟過程における両者の玄米内での集積過程を玄米の層別に検討した。その結果、良食味品種と食味の悪い品種では両者の集積様式が異なることが判明した。【○!3】生産地・生産者の明らかな日本、カリフォルニア、フィリピンおよびタイの代表的品種の穀粒のアミロ-スと窒素含有率は良食味品種で低い傾向を示し、炊飯したコシヒカリ・ササニシキはアスパラギン酸とグルタミン酸の含有率の和が高い値を示した。【○!4】国内外水稲60〜90品種について4ヶ年の穀粒成分を検討した。その結果、育種の選抜過程で利用しやすい判別法を考案し、優良偏差法と名づけた。また、SDSー電気泳動法を改良し、特殊なグルテリン・タンパク質タイプを持つ外国品種を把握した。 (2)品質形質の遺伝変異作出:【○!1】従来の突然変異育種や、既存品種に含まれない新しい型の変異を求めて、4倍体に対する放射線照射によって誘発された2倍体突然変異系統の解析を行った。その結果、胚乳が受精後数日で崩壊するにもかかわらず、胚は生長を続け巨大化し発芽する変異系統を見出した。前年度から穀粒外観の変異もいくつかの種類が見出されている。一方、草姿や出穂期或いは着色などの優性形質の変異が同一個体に誘発できることも明らかになった。ゲノミソクロ-ンの検討でも、染色体の再配列の可能性が示されたので、品質変異も新しい型の変異である可能性があると思われる。
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