研究概要 |
人工知能(AI)技術の水産資源の総合解析への応用に関する研究の第4年度(最終年度)として本年度は次の項目について実施した。 1.実施例として,第1年度より進めている「イワシ類の漁況予測」については,システム開発を進めてきたが,本年度は最終年度として,今後の応用例に利用できるように整理・検討を行なった。これらについては全員により進めた。 2.第2年度より進めてきた,「ニュ-ラルネットワ-ク」を用いての実施例については本年度はさらに,相模湾に来遊するマンラスの漁獲量予測を行なった。すなわち,マンラスの来遊に影響する黒潮流路蛇行型の出現率と石廊時からの離岸距離を予測したところ,良好な結果を得,これと他の情報を用いての相模湾のマンラス漁獲量の予測では,学習期間外の場合についても良い結果がえられ,今後の実用化に対して有効な情報が得られた。この件については主に小松が担当した。 3.別の応用例として「実群探知機によるミズクラゲの判別へのAI手法の応用」を実施した。これは水中にある種々の生物よりえられる音響反射信号について50および200KHzを用いた場合,ミズクラゲの出現時の状況についてプロダクションル-ルを適用して判別を試みた。その結果,今後実用化に向けて検討に価するル-ルがえられ,さらに確信度を加えることで最終的評価ができることが分った。この件については主に稲垣が担当した。 4.4年間にわたる成果についてメンバ-による討議を行ない,報告書としてまとめると共に,今後の種々の研究への応用について情報を収集整理し,公表していくことにした。
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