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1988 年度 実績報告書

ヒト免疫応答の遺伝的制御に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63440028
研究機関九州大学

研究代表者

笹月 健彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)

研究分担者 木村 彰方  九州大学, 学体防御医学研究所, 助手 (60161551)
西村 泰治  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10156119)
キーワードHLAーDR分子 / HLAーDQ分子 / トランスジェニックマウス / 免疫応答遺伝子 / リンパ球混合培養反応 / L細胞 / トランスフェクタント / 限界希釈分析法 / 前駆体T細胞頻度 / 免疫遺伝学
研究概要

HLAーDQ分子の生物学的機能を解析する目的で、HLAーDw12ハプロタイプに由来するDQw6αおよびβ遺伝子を、C57BL/6マウス(B6)に導入し、主要組織適合抗原としての機能を有するHLAーDQw6遺伝子を、継代的に発現したトランスジェニックマウス(DQw6ーB6)を1系統樹立することに成功した。DQw6分子の発現はIーA分子のそれと同様の組織特異性を示し、IーA陽性脾細胞の約42%がDQw6陽性であった。ILー4により脾細胞におけるDQw6分子の発現は増加したが活性型T細胞には、その発現は認められなかった。 二次電気泳動法によるクラスII分子の解析では、IーA分子とDQw6分子との間に雑種クラスII分子の形成は認められなかった。DQw6ーB6はDQw6分子に対して抗体を産生せず免疫寛容を獲得していた。B6は溶連菌抗原に対して低応答を示したが、すべてのDQw6ーB6は溶連菌抗原に対する応答性を獲得し、この免疫応答は抗DQ単クローン抗体により阻止された。 HLAクラスII分子に特異的な単クローン抗体によるヒトMLRの阻止実験により、同種MLRではDR分子が主にこれを刺激し、自家MLRではDRおよびDQ分子が同等にこれを刺激していることが明らかとなった。HLAクラスII遺伝子を発現したマウスL細胞は、ヒトMLR反応性のT細胞を活性化できることが確認できたため、これとCD4陽性T細胞をILー2の存在下で混合培養し、限界希釈法によりMLR反応性T細胞の頻度を検討した。その結果、同種あるいは自家DQ分子を認識するT細胞の頻度は同種DR分子のそれに匹敵するほど高いことを明らかにした。一方、単球におけるDQ分子の発現量は、DR分子のそれと比べ著しく小さかった。DQ分子反応性T細胞の頻度が高いにもかかわらず、自家MLRが小さい、あるいは同種MLRにおけるDQ分子の関与が小さい理由は、刺激細胞におけるDQ分子の発現が小さいためと考えられる。今後これらのDQ反応性T細胞の機能解析は重要な研究課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sasazuki,T.;Kikuchi,I.;Hirayama,K.;Matsushita,S,;Ohta,N.;Nishimura,Y.: Immunology,. (1989)

  • [文献書誌] Matsushita,S,;Morimoto,C.;Schlossman,S.F.;Sasazuki,T.: Human Immunology,. 22. 1-7 (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,H.;Matsushita,S.;Kamikawaji,N.;Hirayama,K.;Okumura,M.;Sasazuki,T.: Human Immunology,. 22. 9-17 (1988)

  • [文献書誌] Honda,K.;Hirayama,K.;Kikuchi,I.;Nagato,H.;Tanami,H.;Sasazuki,T.: New Engl.J.Med. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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