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1988 年度 実績報告書

肝細胞癌の発生様式ー単中心性か多中心性かーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63440032
研究機関金沢大学

研究代表者

服部 信  金沢大学, 医学部, 教授 (30019640)

研究分担者 宮腰 久嗣  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10143893)
鵜浦 雅志  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10175226)
小林 健一  金沢大学, 医学部, 助教授 (70019933)
キーワードウッドチャック肝炎ウイルス / 多発性肝癌 / WHVDNAの組み込み多起源的発生 / 単中心的発生
研究概要

すべてウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)感染(キャリアー)状態にあるウッドチャック6匹から発生した多発性肝癌すなわち24個の腫瘍を用いた。組織DNAはホモジナイズ後プロテナーゼ処理にて抽出した。10μgDNAを制限酵素EcoR1、HindIII、PvuIIでそれぞれ消化した後、1%アガロースゲルで分画し、サザンブロッティングを行なった。ハイブリダイゼーションは65℃で12時間行ない、プローブは全WHVフラグメントを用いた。
ウッドチャック6匹のうち径10mm以上(T)の肝癌がW1では1個、CW517、W47、CW577では2個(T1、T2)、A5-99では3個(T1-T3)、P1では4個(T1-T4)発生した。そのうち、CW577には径10mm未満の肝癌(M)も同時に10個(M1-M10)認められた。WHVDNAの組み込みはウッドチャック6匹中5匹、または腫瘍24例中21例と高率な組み込みを確認した。各個体間における共通の組み込みパターンは認められなかった。また同一例の各腫瘍に組み込まれたWHVDNAの大きさも多くは異なっていた。しかしながら、W47のT1とT2には共通なバンドがEcoR1消化の9KbpとPvuII消化の7Kbpとで保存されていた。またCW577ではEcoR1消化の4.5KbpバンドがT1、M1、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9で共通に認められ、HindIII消化の4.5KbpバンドがT2、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9で共通に認められ、HindIII消化の4.5KbpバンドがT2、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9で共通に認められた。そしてM4とM7とでは組み込みパターン自体が同一であった。
この結果は多発性発癌が多起源的(multi-origin)な発癌あるいは、播種された単発生癌の多段階的(multi-step)な発達によるものである2つの可能性を示している。今後さらに得られる新しい腫瘍について検討されねばならない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下田敦,服部信: 肝臓. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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