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1988 年度 実績報告書

超高感度微弱光撮像システムを用いた臓器循環障害過程における活性酸素生成動態の検討

研究課題

研究課題/領域番号 63440033
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

土屋 雅春  慶應義塾大学, 医学部内科・消化器内科学, 教授 (60051124)

研究分担者 朴沢 重成  慶應義塾大学, 医学部・内科・消化器内科学, 助手 (40181482)
末松 誠  慶應義塾大学, 医学部・内科・消化器内科学, 助手 (00206385)
三浦 総一郎  慶應義塾大学, 医学部・内科・消化器内科学, 講師 (50138012)
キーワード活性酸素 / 化学発光 / 微小循環障害 / 血小板活性化因子(PAF)
研究概要

昭和63年度は生体内活性酸素産生の解析を顕微鏡下に行うための基礎的研究として、分離好中球を用いたluminol発光の撮像とその発光機序の解析を行った。ヒト好中球は膜刺激としてopsonized zymosanあるいはphorbol myristate acetate(PMA)とcalcium ionophoreの添加を行った場合にluminol発光が生じること、慢性肉芽腫症患者の好中球が発光を生じないこと、培養液中にmyeloperoxidaseを添加すると発光は増強し、1.0mM sodium azideの添加により発光が完全に抑制されることから、luminol発光には、膜刺激に伴うO^-_2の産生が必須であり、myeloperoxidaseの作用により細胞外空間に放出されたhypochlorous anionが直接luminolと反応し発光を生じることが示された。一方臓器微小循環障害モデルとして以前から検討を加えてきた胃粘膜障害の発生機序については、臓器血流の虚血・再灌流に伴い、xanthine oxidase活性の上昇、局所微量採血による好中球活性酸素産生能亢進、胃粘膜固有層への好中球の集積がおこり、以上の変化が血小板活性化因子(PAF)の選択的拮抗剤CVー6209の前処置により抑制されることから、局所微小循環障害における血管内皮ー好中球相互反応の調節因子としてPAFが重要な役割を果たすことが示唆された。以上の知見から腸間膜微小循環における血管内皮ー好中球の相互反応に伴う活性酸素放出過程をin vivoで明らかにするための手法としてluminol依存性化学発光法が有用な方法であることが解明された。現在培養血管内皮と好中球の混合培養系を用いて、化学発光の局在の解析を施行している。またin vivoにおける微小循環有形成分である赤血球、好中球の速度を同一血管内で生体蛍光顕微鏡下に計測することも可能となり、生体内臓器微小循環血流の障害と好中球依存性酸素ストレスの関係を追求するための基礎的研究が完了したと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Makoto,Suematsu: Biochem.Biophys.Res.Commun.155. 106-111 (1988)

  • [文献書誌] Makoto,Suematsu: J.Biolum.Chemilum.(Suppl.). (1989)

  • [文献書誌] 末松誠: Therapeutic Research. (1989)

  • [文献書誌] 土屋雅春: 医学のあゆみ. 147. 380-384 (1988)

  • [文献書誌] 末松誠: "フリーラジカルの臨床 vol.4" 日本医学館, (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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