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1988 年度 実績報告書

ハンチントン病の異常遺伝子解明のための新しいDNAプローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 63440034
研究機関筑波大学

研究代表者

金澤 一郎  筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30110498)

研究分担者 眞崎 知生  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60009991)
キーワードハンチントン病 / DNAマーカー / D4S10 / S4S43 / 遺伝子連鎖
研究概要

ハンチントン病の異常遺伝子座は、D4S10とよばれるDNAマーカーを用いた遺伝子連鎖の研究により、第4染色体短腕先端に位置することが明らかになった。我々もそのマーカーを用いて本邦のハンチントン病家系について検索を行ってきた。また、最近新たにハンチントン病の遺伝子座により近いマーカーとしてD4S43が開発され、これも用いて同じ家系について連鎖を検討した。これら両マーカーで検索しえたのは13家系であった。その結果、本邦のD4S10とD4S43との連鎖のlod scoreはinformatiueな9家系でθ=0.10において3.17であり両マーカは10cMはなれていることがわかった。次ぎに本邦のハンチントン病とD4S10との間の遺伝子連鎖についてはinformatiueな9家系でθ=0.15において2.18であり、その間に15cMの距離があることがわかった。これは欧米における4cMよりもかなり大きい値であった。一方、新しいDNAマーカーであるD4S43と本邦のハンチントン病との遺伝子連鎖についてinformatiueな5家系について調べたところθ=0.05においてlod scoreは3.11であり、その間に5cMの距離があることがわかった。欧米においてはこの値は0.1cM程度とされているので、本邦の値はそれよりもかなり大きいといえよう。これは恐らく検索した家系数及び家系サイズが小さいことによるものと考えられる。
以上のことより、(1)本邦のハンチントン病の遺伝子座は、基本的には欧米のそれと同様に第4染色体短腕先端部に局在すると考えられること、(2)本邦のハンチントン病と各マーカーとの関係を調べたところ、欧米の場合と同様にD4S10よりもD4S43の方がハンチントン病の遺伝子座により近いと判定されること、(3)ただし、これらの遺伝子間距離は、欧米の場合に比較して本邦ではより離れている結果であった。なおその理由は検索家系の数とサイズが本邦では小さかったためであろう、といえる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kanazawa,I.;Kwak,S.;Sasaki,H.;Muramoto,O.;Mizutani,T.;Hori,A.;Nukina,N.: Journal of Neurological Sciences. 83. 63-74 (1988)

  • [文献書誌] 吉澤利弘,金澤一郎: 代謝. 25. 145-154 (1988)

  • [文献書誌] 金澤一郎: 生体の科学. 39. 63-66 (1988)

  • [文献書誌] 近藤郁子,金澤一郎: 蛋白質核酸酵素. 33. 1023-1025 (1988)

  • [文献書誌] 金澤一郎: 神経精神薬理. 10. 345-350 (1988)

  • [文献書誌] Kanazawa,I.: Asian Medical Journal. 32. 18-24 (1988)

  • [文献書誌] 金澤一郎: "「神経病学」第3版Lecture29 遺伝性疾患 臨床神経遺伝学" 田崎義昭,吉田充男(医学書院), 410-426 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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