研究課題/領域番号 |
63440035
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
丸山 勝一 東京女子医科大学, 脳神経センター神経内科, 教授 (60075158)
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研究分担者 |
佐々木 彰一 東京女子医科大学, 脳神経センター神経内科, 助手 (40119962)
大澤 美貴雄 東京女子医科大学, 脳神経センター神経内科, 助手 (60101812)
村上 博彦 東京女子医科大学, 脳神経センター神経内科, 講師 (30120067)
小林 逸郎 東京女子医科大学, 脳神経センター神経内科, 助教授 (50090527)
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キーワード | Alzheiner型痴呆 / 多発梗塞性痴呆 / DDAVDの点鼻療法 / 髄液AVP / CT / nucleus basalis of Mynert / Pick病 / MRI |
研究概要 |
1.痴呆患者の臨床とCT・MRIによる画像診断 Alzhemer型痴呆(ATD)15例、多発梗塞性痴呆(MID)21例において臨床症状と画像について両者の鑑別店を比較検討した。MIDでは危険因子である高血圧・糖尿病の合併、血小板凝集能の亢進が有意(P<0.01)に認められた。CT・MRIで脳室拡大比、皮質委縮比、白質病変比を求めた。MIDはATDに比べ脳室拡大、皮質病変が有意(P<0.01〜0.05)に強く認められた。ATDでは長谷川式スケールと脳室拡大、皮質委縮とに有意な負の相関(r=-0.62,r=-0.63,P<0.05)が認められた。 2.痴呆患者の事象関言電位(P300) P300を聴覚(純音)刺激によるoddball(count)課題を用いて検討した。P300は、健常対照群では7歳以上の全例で記録されていたことから、学童以降から臨床検査として用い得ると考えられた。P300頂点潜時は、成長に伴い短縮し(10歳位まで急激に、その後も更に徐々に)、40歳頃からは徐々に延長した。精神薄弱あるいは痴呆を呈する各種神経あるいは内科疾患でP300の欠如あるいは延長からみられた。 3.痴呆患者の病理 痴呆症例で代表的なPick病2例において大脳新皮質に直接投射していると考えられているnucleus basalis of Mynert(nbM)を検索した。1例でnbMニューロンの数と細胞密度の減少を認めたが、他の1例では認められなかった。 4.痴呆患者の治療 ATD5例、MID5例に1ーdesamino-8-D-arginine-vasopressin(DDAVP)点鼻療法を行い、2例に痴呆の改善が認められた。痴呆患者の髄液arginine vasopressin(AVP)濃度は低下していた。
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