研究課題/領域番号 |
63440037
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 元臣 九州大学, 医学部, 教授 (60037322)
|
研究分担者 |
山元 寅男 九州大学, 医学部, 教授 (80037324)
砂川 賢二 九州大学, 医学部, 助手 (50163043)
友池 仁暢 九州大学, 医学部, 講師 (90112333)
金出 英夫 九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
竹下 彰 九州大学, 医学部, 助教授 (30038814)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 流動脈攣縮 / 心筋梗塞 / セロトニン / 血管壁内出血 / 動脈硬化 / 経皮経管形成術 / 内皮細胞 / 内皮細胞依存性血管弛緩 |
研究概要 |
〔冠動脈攣縮の成因としての血管壁過剰収縮要因の多様性〕 (1)内膜傷害の急性効果:冠動脈内模をバル-ンカテ-テルで剥離すると3分後から同部は自発的に狭窄し、6分で61±5%の内径狭窄に達する。本反応はヘパリンの大量投与(3000VS500単位)やケタンセリンの前処置で抑制出来る。従って、内膜傷害急性期の過剰狭窄は血小板の付着凝集と血小板の活性化によって放出されるセロトニンに刺激されて生じた現象と考えられる。(2)X線照射による血管壁の反応性の活性化:内膜剥離後3、4か月目に、1500ラドのX線を2回剥離部に照射するとセロトニンに対する収縮反応性が亢進した。この様な現象は内膜傷害を行わない場合にも生じた。血管壁標本を作り過剰収縮の発生機序を検索した所、内皮細胞依存性弛緩の減弱と中膜平滑筋の収縮反応亢進を認めた。 〔冠動脈攣縮部血管壁内出血と心筋梗塞との関連性〕 コレステロ-ルを2%含む半合成飼料でゲッチンゲン種ミニ豚を飼育し、300〜400mg/dlの高コレステロ-ル血症の条件下に内膜をバル-ンカテ-テルで剥離した。動脈硬化性変化を進展させる為にX線を内膜剥離部に範囲を絞って2回照射した。同部はX線照射から1か月後、冠動脈の器質的狭窄が進行し、かつ、セロトニンに対し過剰に狭窄反応を示すようになったので、攣縮と血管壁の器質的変化の関連性を形態学的に検索した。昭和63年度、セロトニン冠注1回群と5回群とを対比した所、5回群では壁内出血を認めたが、1回群には無かった。又、出血部の内膜は他の部位に比べ肥厚が著明であった。血管壁内の毛細血管はいずれの群にも認めた。平成元年度は急速に冠攣縮を誘発した場合と徐々に冠狭窄を強めた場合を比較した所、前者に高頻度に壁内出血を認めた(P<0.01)。又、75%以上の冠狭窄を120分以上持続させると、心筋梗塞が発生することを確認した。
|