研究課題/領域番号 |
63440039
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
竹川 鉦一 弘前大学, 医学部, 教授 (80171627)
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研究分担者 |
佐々木 泰輔 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (20178651)
淀野 啓 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (30113848)
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キーワード | レーザー装置 / レーザー血管拡張術 / レーザー血管形成術 / LASERANGIOPLASTY / PTLA |
研究概要 |
1.小型化および温度測定機構付新型レーザー装置(出力50W、パルスレーザーも可能)の試作を行った。本装置は従来の装置よりもコンパクトであり、且つ接触照射に必要なレーザーの出力は充分あるので実用的であることが分った。実験および臨床に使用して装置の安全性は良好であった。尚以上の点に関しては次年度も引続き検討して行く予定である。 2.動脈硬化性閉塞または高度狭窄例にレーザーを使用するための基礎実験として、恒温槽(37℃)内で生理食塩液中に固定した動脈壁へレーザーを照射して動脈壁の温度を測定した。レーザーの照射には裸のレーザーファイバーを使用し、出力を5、10、15、20Wと変化させ、時間は動脈壁に変化が生じるまで(2.1〜9.1秒)とした。温度センサーには直径1.0mmの熱電対を用いた。センサーの先端をレーザーファイバー先端より2、4、6、8mmと離し、レーザーファイバーとセンサーの間に遮光板を置いて、温度自動記録装置で経時的に記録した。レーザーファイバー先端より2mmの点では動脈壁が焼灼される時点で30〜47℃位上昇したが、4mmの点では6〜10℃の温度上昇に留まり、6mm以上離れた地点の温度上昇は極めて少なかった。 この温度測定の結果の意味するところは、生理食塩液中でレーザーを接触照射した場合動脈壁内の温度上昇が極めて限局したものであり、焼灼効果および周辺への熱効果が限局しているのでレーザーを比較的安心して照射できると考えられた。 3.レーザー照射の局所への影響は限局しており、レーザーのジュールを良くコントロールすると安全である。我々は実際に臨床例で穿孔を来したものは1例もない(38症例中)。現在臨床的に一番問題になるのは末梢塞栓であり、動脈壁附着の血栓を末梢へ飛ばさないことが重要であると考えている。生食フラッシュと廃液回収回路を工夫中である。
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