研究課題/領域番号 |
63440043
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
垂井 清一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (00028341)
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研究分担者 |
清水 孝郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40206199)
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 助手 (00205262)
野口 民夫 大阪大学, 医学部, 講師 (70135721)
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 講師 (30093412)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 解糖系 / 律速酵素 / ホスホフルクトキナ-ゼ / グリコ-ゲン病VII型 / 遺伝子クロ-ニング / cDNAクロ-ニング / スプライシング / 遺伝子構造 |
研究概要 |
本研究は、解糖系律速酵素のひとつホスホフルクトキナ-ゼ(PFK)の莇における欠損症(グリコ-ゲン病VII型)の存在をはじめて記載し、同時に欠損酵素の同定を行なった研究代表者が、本症の異常を遺伝子レベルで同定することを目的に計画され、以下に示す成果を得たものである。 (1)正常ヒト筋PFKの完全長cDNAをはじめてクロ-ニングし、本酵素の一次構造を明らかにした。 (2)同ゲノムをクロ-ニングし、タンパク翻訳領域をコ-ドする22のエキソンを含む全長25kb以上のゲノム全構造を解明した。さらに本遺伝子の転写機構に、alternative splicingと複数のプロモ-タ-の関与をはじめて明らかにした。 (3)本症欠損症患者の筋mRNAおよびゲノムDNAを分析した。患者酵素上、25アミノ酸残基の欠失に相当するmRNA上の75塩基の欠失を同定し、酵素活性の欠損するメカニズムを明らかにするとともに、この異常mRNAは、ゲノム上のスプライス・ドナ-のpoint mutationに基づくスプライシングの異常から生成されることを遺伝子配列から解明した。 以上、本研究の成果により、現在、研究代表者の名を冠して「垂井病」として内外の内科学書に記載されている本患者単位の、四半世紀にわたる病態分析の歴史の最終目標である。患者遺伝子異常の同定が達成された。本症は、グリコ-ゲン病全体としても、遺伝子異常が完全に同定された最初の疾患単位となることから、今後の同種の研究に大いに資するものと考えられ、また、RNAスプライシングのメカニズムを解明する上でも資する点が大であると考えられる。
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