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1988 年度 実績報告書

根治的広範肝切除のために必須な手術侵襲の定量化

研究課題

研究課題/領域番号 63440047
研究機関京都大学

研究代表者

小澤 和恵  京都大学, 医学部, 教授 (00026858)

研究分担者 森 敬一郎  京都大学, 医学部, 助手 (80159186)
嶌原 康行  京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
山岡 義生  京都大学, 医学部, 講師 (90089102)
キーワードRedox State / score / AKBR / Bio-Pump / 肝切除
研究概要

Redox理論にもとづいて統一的な管理対策を行うことにより、肝癌手術の安全性と根治性を高め、その治療成績を向上すべく、系統的な研究を続けてきた。前年度においてはRedox Tolerance Testによる肝の代謝的capacityの評価、Bio-Pumpを用いた体外循環下における拡大肝切除術の確立等を行った。今回はさらに安全性の高い肝切除術のために、術中Redox Stateを経時的にモニターすることにより術中のmetabolic stressの定量化とその解析を行った。AKBR(動脈血中acetoacetate/β-hydroxbutyrate比)が0.7以下で経過する時間を統計処理してscore化した。この術中のscoreと術後のAKBRの回復の程度、術後の合併症の発生率等との関連性を検討した。術中のscoreが増加している場合、即ち術中のAKBRの低下が著しい程、あるいは、その低下の経続時間の経過が長時間の場合、術後のAKBRの回復、正常化がおくれ、術後合併症の発症頻度の高いことが判明した。このscoreの増加に伴い、乳酸代謝、アミノ酸代謝、糖代謝等に著しい異常がひきおこされた。次いで、このscoreの増加を防止するためには、残存肝の脱転や圧迫をさけること、肝門部の処理を簡略化すること、肝の阻血時間を最短とすること、Bio-Pumpを頻用して、門脈うっ滞を防止すること、肝へのmetabolic loadを最少とすること、等が重要であることが判明した。今後はこれまでの系統的な研究成果の蓄積を基礎として、scoreの増大を防止すると言う予防的手段にとどまらず、術前、術中、術後を通じて、Redox Stateの積極的な維持保護を目的とした治療手段を開発、臨床に導入することにより、さらに安全な根治的広範肝切除術の確立と、その適応の拡大を求めたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Morimoto;M.Ukikusa;Y.Taki;et al.: European Surgical Research. 20. 120-127 (1988)

  • [文献書誌] N.Nitta;S.Yamamoto;Y.Yamaoka;K.Ozawa: Life Science. 40. 1973-1979 (1988)

  • [文献書誌] S.Yamamoto;N.Nitta;N.Ozaki;et al.: Circulatory Shock. 26. 193-201 (1988)

  • [文献書誌] N.Ozaki;Y.Tokunaga;S.Wakashiro;et al.: Surgery. 104. 98-103 (1988)

  • [文献書誌] Y.Sakai;A.Tanaka;I.Ikai;et al.: Clinca Chimica Acta. 176. 343-346 (1988)

  • [文献書誌] T.Nakatani;K.Yasuda;K.Ozawa: The American Journal of Surgery. 155. 599-563 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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