研究概要 |
モノクロ-ナル抗体による血清学的診断とミサイル療法の開発に関し,本助成金による以前カらの研究を発展させ,臨床応用に近づけた。 1)膵癌診断に有用な腫瘍マ-カ-はKM01以上のものを開発出来なかったが,他の腫瘍マ-カ-との組み合せでKM01の臨床的意義と,その適応,有効性を明らかにした。 2)一連の研究でタ-ゲッテング療法に用いられる可能性を明らかにした抗CEAMoAbであるKM10とA10におけるキメラ化とその大量精製,臨床応用の可能性につき以下のような成績を得た。 (1)試験管培養における産生量はキメラKM10Fabの10.8ng/mlに対し,キメラA10Fabは1021.5ng/mlと高い産生性を示した。 (2)遺伝子操作による大腸菌からの大量精製であるが,大腸菌由来の他の蛋白やエンドトキシンなどよりの分離は可能で,現在の高密度培養の成績などよりキメラA10なら臨床応用が考えられる。 3)担癌患者脾臓からのリンパ球とhuman B lymphoblastoid cell lineの融合より作製したヒト型モノクロ-ナル抗体はIgMで,臨床応用しやすいIgG型への転換は本年度中には間に合わなかった。 4)酸化デキストランとアトリアマイシンの高分子複合体(ADMーOXD)の薬理学的有効性や副作用の研究は実験動物でほとんど終了し,現在phase O studyに入った。
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