研究課題/領域番号 |
63440051
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
荒井 裕国 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50202718)
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研究分担者 |
金田 英己 東京医科歯科大学, 医学部, 医員
吉田 哲夫 東京医科歯科大学, 医学部, 医員
丸山 俊之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80199934)
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キーワード | 大動脈内バルーンパンピング(IABP) / アルゴリズム / 心房細動 |
研究概要 |
心房細動(af)時の大動脈圧(AP)収縮期時間が先行する心電図(ECG)上のRP間隔、即ち左室充満時間によって規定されているとの考えのもとにIABPの新しい駆動アルゴリズムを考案しその理論的確立と検定を行なった。〔方法〕1)臨床のaf合併例を用いて心カテーテル法、開心術後各種モニターなどによるECG、AP波形をデータレコーダーに集積し、先行RR間隔とLVETの関係を分析し回帰曲線の算出を行なった。2)臨床例よりデータレコーダーに収録したECG、AP波形の入力による市販5種のIABP駆動装置の模擬駆動を行ない、assist-mark出力をECG、AP波形と共に適時サーマルアレイコーダに記録しafの追従性に関して新アルゴリズムと比較検討した。〔結果〕1)心臓カテーテル検査例(n=36)にみる先行RR間隔とLVETの関係は、分布領域がET=-2.49×10^<-4>×RR^2+0.58×RR+13.4とET=-3.01×10^4×RR^2+0.72×RR-124.4にある正の相関を示し先行RR間隔が1000msec以上ではLVETはほぼ一定値であった。開心術後急性期IABP使用のaf例より収録したIABP休止時のECG・AP波形より2次回帰式:ET=-1.7×10^<-4>×RR┣D12+0.286×RR+243.3(r┣D12┫D1=0.6140)を得、この回帰式に基づきIABPの拡張を制御してみると頻脈【double arrow】徐脈移行時にも至適タイミングで追従した。2)市販機種では先行数心拍の平均値より次心拍予測制御型はballoon拡張タイミングのズレ分散は大きくS.D.43〜54msecを、絶対時間制御型はS.D.14〜19msecを示したが、新アルゴリズム型はS.D.8.5msecと著しく良好な追従性を示した。〔結語〕今回、我々の考案したafにおける先行RR間隔とタイミングの関係は病態生理的に考えて最も理論的・合理的なアルゴリズムであり、今後このシステムを用いて全自動制御可能なIABP駆動装置を試作の予定である。
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