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1988 年度 実績報告書

脳虚血における興奮性アミノ酸神経伝達物質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 63440054
研究機関帝京大学

研究代表者

田村 晃  帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)

研究分担者 戸向 則子  帝京大学, 医学部, 教務職員 (30192214)
水野 重樹  帝京大学, 医学部, 助手 (60200010)
高木 清  帝京大学, 医学部, 講師 (40197059)
後藤 修  帝京大学, 医学部, 講師 (40134598)
桐野 高明  帝京大学, 医学部, 助教授 (10161605)
キーワード脳虚血 / 視床 / 黒質 / 脳血流量 / 脳グルコース代謝 / 神経伝達物質 / 学習 / 記憶 / ラット
研究概要

動物モデルにおける病理組織学的検討:ラット左中大脳動脈閉塞モデルにおいて、閉塞側視床および黒質の組織学的変化を閉塞後6ケ月まで検討した。同側視床は閉塞2週間後より有意に委縮し、6ケ月後には対側の54%になった。また、同側黒質は、閉塞後2週間目に神経細胞の壊死・脱落およびグリオーシスが認められ、徐々に萎縮し、6ケ月後には対側の33%となった。これらの部位は、中大脳動脈領域ではなく、直接虚血にさらされる部分ではない。このような非虚血部のゆっくりした神経細胞傷害、萎縮は神経ネットワークを介しての変化と考えられる。オートラジオグラフィー法による脳循環代謝測定:ラット左中大脳動脈閉塞モデルにおいてオートラジオグラフィー法による脳循環代謝測定を行なった結果、閉塞側黒質の血流増加は1週間後まで認められ、グルコース代謝の亢進は2週間後まで認められた。これらの循環代謝の亢進は尾状核・被殻の梗塞による抑制性神経伝達物質GABAの低下による脱抑制機序によるものと推定され、このような脱抑制状態が持続すると、先に示したような神経細胞壊死が生じるものと思われた。
行動学習機能の測定:ラット左中大脳動脈閉塞モデルを用いて、明暗箱による受動的回避反応の回避率および能動的回避反応の回避率の両者ともに、有意の低下が認められた。これらの結果は、ラット左中大脳動脈閉塞後の記憶の保持の障害が長期間にわたり認められることを示している。ラット中大脳動脈閉塞モデルにおいては、軽度の神経学的所見(右片麻痺)が、術後8週間まで認められることが明らかとなり、神経学的所見と学習・記憶障害との対比を現在行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤江和貴,桐野高明,田村晃,岡秀宗,佐野圭司: 医学のあゆみ. 148. 621-622 (1989)

  • [文献書誌] 平川誠,田村晃,岡秀宗,戸向則子,桐野高明,鈴木英男,成田孝而,佐野圭司: 医学のあゆみ. 148. 681-682 (1989)

  • [文献書誌] 田村晃,中山比登志,桐野高明,佐野圭司,松谷雅生: Brain Hypoxia. 3. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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