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1989 年度 実績報告書

人体における石灰沈着物形成のメカニズムについて

研究課題

研究課題/領域番号 63440056
研究機関独協医科大学

研究代表者

星野 孝  獨協医科大学, 医学部, 教授 (60049111)

研究分担者 浜田 純一郎  獨協医科大学, 医学部, 助手 (80180941)
梅原 忠雄  獨協医科大学, 医学部, 教授 (00049115)
キーワード軟骨 / 石灰物質 / ピロ燐酸カルシウム / 燐酸カルシウム / inorganic pyrophosphatase / X線回折
研究概要

(方法)平均2.5歳の肉牛の〓骨膝関節面を3cmの厚さで採集し軟骨面に軟骨下骨に達する溝を25mmの間隔をあけて2本掘った。一方の溝にはピロ燐酸ナトリウムを、他方の溝には塩化カルシウムを入れ室温保存すると約5日でピロ燐酸ナトリウムを入れた溝より9mmの所に白色ラインができる。このラインを周囲軟骨とともに採集し、1.HE染色、Von Kossa染色にて組織学的に検索。2.走査電顕による白色ラインの形態学的検索。3.X線回折、赤外分光法、ラマン分析による結晶学的同定、4.Kurata and Maeda法による酵素学的検索を加えた。
(結果)1.Tangenital zoneからtransitinal zoneにかけての基質にVon Kossa染色に濃染する石灰化バンドを認めた。2.走査電顕では白色ライン部に敷石状の結晶塊が観察されたが、軟骨基質との関係は明らかではなかった。3.X線回折、赤外分光法、ラマン分析では、いずれの方法でもCa_3(PO_4)_2あるいはCa_5(PO_4)_3OHであると考えられたが、ピロリン酸カルシウムは認められなかった。4.Kurata and Maeda法では、inorganic pyrophosphataseは、新鮮軟骨においてradial zone以下の基質および軟骨細胞に認められたが、より表層部では軟骨細胞に主に認められた。またフッ化ナトリウムで処理した軟骨では白色ラインはできず、Kurata and Maeda法でも酵素は認められなかった。
(ポイント)ピロリン酸ナトリウムと塩化カルシウムより、リン酸カルシウムが形成されたことより、1.関節軟骨はイオン拡散能を有しておりゲルとして石灰沈着の場となりえるが、2.正常軟骨ではピロリン酸カルシウムは沈着しにくく、3.Inorganic pyrophosphataseが欠乏している状態においてピロリン酸カルシウムが沈着するのではないかと考えられた。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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