研究概要 |
実験対象である10kg超の犬を、3-15H_2の広範囲な呼吸数において正常換気するのに十分な出力を持つHFOベンチレーダ試作器を購入した。このベンチレーダの出力特性を、テスト肺のインピーダンスを種々に変化させて調べた。結果はベンチレーダの出力は、負荷コンプライアンスの変化にはほとんど影響されず、一方負荷抵抗の変化には呼吸器内部インピーダンスが低いときに大きく影響された。ついでHFO試行中の気道内の動圧と一回換気量を3-15H_2の範囲で歪みなく測定する手法をMillarのカテ先圧トランスデューサ・熱線流量計を用いて確立した。 この基礎実験に基づき、正常肺での適正換気条件および気道内動圧と肺胸郭系の共振周波数との関係を検討するため、平均気道内圧を5cmH_2Oに固定し呼吸数を3,6,9,15H_2と変化させノルモカプニアを得るのに必要な一回換気量を10分後のPaCO_2およびVCO_2測定から決定した。同時に肺胸郭系の複素インピーダンス周波数スペサトルを犬に正弦波振動(2-20H_2Swecp)を加元圧・流量を測定しフーリエ解析して求めた(89年日本麻酔学会総会発表予定)。 ついでオレイン酸を大量静注して急性肺水腫を起こした時の肺胸郭系インピーダンス周波数スペクトルの変化を調べた。このオレイン酸肺傷害において、従来の換気法(CMV)とHFOの比較を、気道内動圧と血液ガスの点から行った。pulsatile sustained inflationを導入した。 気道内の不均等分岐による局所死腟の分布と局所のガス運搬メカニズムの分布とを組み合わせて正常肺におけるHFVガス運搬の数学モデルを構築し、J.Appl. Physiol.64(5).2108ー2118,1988に発表した。
|