研究課題/領域番号 |
63440065
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 寛次郎 東京大学, 医学部, 教授 (60010188)
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研究分担者 |
赤星 隆幸 東京大学, 医学部, 助手 (60192887)
山下 英俊 東京大学, 医学部, 講師 (90158163)
天野 史郎 東京大学, 医学部, 助手 (80193027)
新家 真 東京大学, 医学部, 講師 (00092122)
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キーワード | 血液一眼柵 / 血液一房水柵 / プロスタグランディン / ロイコトリエン / 前房蛋白測定 / 前房細胞数測定 |
研究概要 |
血液一眼柵の一つである血液一房水柵の測定は従来、フルオレッセインを用いていたが、腕静脈に入った色素は肝臓でフルオレッセインゲルクロナイドに代謝され、この物質は血液一房水柵を通る際にはフルオレッセインとは全く異る態度をとることがわかった。このことは、血液一眼柵の測定で今迄に得られている多くの情報に大きな解釈上の訂正が必要となった。 我々は、今回、血液一房水柵の一つの指標である、前房中の蛋白質の量を定量的、客観的かつ非侵襲的に測定する装置を開発した。この装置を使うことにより、いつでも、何回でも前房中の蛋白および細胞数を測定できるようになった。 眼に刺激を加えると眼はそれに対して反応し、結膜、虹彩の充血、縮瞳、前房蛋白の増加、前房細胞数の増加、一過性眼圧上昇を起こす。また眼以外にエンドトキシンを注射することにより同様の刺激症状が惹起できた。このエンドトキシンによる前眼部刺激症状は経時的にその経過をみると、注射後1時間に最も前房中蛋白は増し、その後徐々にその量は減り、24所間後にはほぼ注射前の値にもどった。前房中の細胞は注射後6時間から表われ、徐々にその数を増し24時間後に最高となり、その後は減少する。48時間後もまだ前房中に細胞はみられた。この各時間に前房水を採取して、プロスタグランディンズ、ロイコトリエンの測定をRIA法により測定した。前房蛋白の時間経過とPGE_2の経過はよく一致した動きを示した。ロイコトリエンB_4は注射後4時間から増し始めて12時間後も高い値を示し、前房中の細胞の数の動きと連動していた。その他のPGs(F_2αなど)、LTs(A_2、D_2など)と前房の状態との関係ははっきりしなかった。
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