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1989 年度 実績報告書

血液一眼柵の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63440065
研究機関東京大学

研究代表者

増田 寛次郎  東京大学, 医学部(病), 教授 (60010188)

研究分担者 山下 英俊  東京大学, 医学部(病), 講師 (90158163)
新家 真  東京大学, 医学部(病), 助教授 (00092122)
キーワードレ-ザ-フレア・セルメ-タ- / ベ-チェッド病 / 原田病 / 糖尿病性網膜症 / 網膜静脈閉塞症 / 眼内術後炎症 / 消炎薬 / 血液一房水柵
研究概要

血液一房水柵の測定は従来よりいろいろ考按されているが、臨床で使える方法はフルオレッセンを使う方法だけであるが、問題点が多い。
今回当教室で開発したレ-ザ-フレア・セルメ-タ-は非侵襲的、他覚的測定方法で簡便でかつ再現性が高い機械である。本機を使って、血液一房水柵に変化を来たす疾患について測定した結果を述べる。
1.ベ-チェット病、原田病において前眼部の炎症を経時的に観察できた。前眼部発作と同時に前房蛋白、細胞数は増加し、時間と共に減少し、細隙灯顕微鏡による臨床所見とよく一致したが、本機使用により、前房中蛋白は発作がおさまった後6ケ月経っても高値を示し、一見発作が治癒したかにみえても、柵破壊は続いていることを示した。また原田病の前眼部所見は治療により、柵機構も治癒したことを示した。本機を使うことにより、慢性炎症を定量的に測定し、治療効果も定量的に判定できる。
2.糖尿病性網膜症はその重症度と前房蛋白量とがよく一致することがわかった、一方で軽度網膜症でも既に蛋白が高値を示しているものは虹彩新生が早晩発生することを示した。蛍光眼底検査による無血管領域の広さと前房蛋白濃度とは正の相関をした。網膜静脈閉塞症でも同様の所見が得られた。
3.眼内手術、特に老人性白内障手術の術後経過を測定することにより、手術術式の適否、術者の技術の優劣、眼内レンズの種類による侵襲度、消炎薬の効果判定に有力な情報を与えてくれた。
以上、レ-ザ-フレア・セルメ-タ-を使って臨床的に種々の疾患で血液一房水柵を他覚的に測定できた。このことにより、疾患発症、発作の機序解明、予後判定や治療方法、治療薬の効果判定に多くの有用な情報を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 大鹿哲郎,増田寛次郎: "各種眼内レンズ術後炎症の定量的比較検討" 臨床眼科. 43. 177-180 (1989)

  • [文献書誌] 大鹿哲郎,新家真,澤充,増田寛次郎: "アセタゾラミドの正常人眼前房フレア-に及ぼす影響" 日本眼科学会誌. 93. 302-306 (1989)

  • [文献書誌] Tetsuro OSHIKA,Satoshi Kato,Mitsuru Sawa & Kanjiro Masuda: "Aqueous flare intensity and age" Japanese Journal of Ophthalmology. 33. 237-242 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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