研究課題/領域番号 |
63440066
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
所 敬 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 教授 (20013865)
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研究分担者 |
赤沢 嘉彦 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 助手 (70159317)
平井 恵二 東京医科歯科大学難治疾患研究所, 自律生理部門, 助手 (70156628)
片山 芳文 東京医科歯科大学難治疾患研究所, 自律生理部門, 教授 (20014144)
船田 みどり 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 講師 (10143554)
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キーワード | 脈絡膜メラニン細胞 / 脈絡膜上板 / 脈絡膜線維芽細胞 / 電顕的形態 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / ATP / furaー2 / カルシウム取り込み機構 |
研究概要 |
組織学的研究として、これまで主に有色家兎眼の脈絡膜メラニン細胞について形態を検討してきたが、猿眼についても観察を行った。脈絡膜上板で、線維芽細胞により構成された編目構造中にメラニン細胞が存在するような、家兎眼で見られた、基本構築は猿眼ではより三次元的ではあるが、同様に見られた。また、眼球摘出により得られた、正常人眼を用いて、免疫組織学手法で生理活性物質であるVIP、メラニン細胞にあるとされているSー100蛋白、線維芽細胞の性質をみるためのデスミンなどの存在につき検討を開始した。現在は螢光抗体による光顕レベルでの観察であるので、今後電顕により存在部位の確認を予定している。 生理学的研究として、Furaー2を用いて、家兎脈絡膜上板細胞中のカルシウムイオンの動態について、興味ある知見が得られた。すなわち、ATPの刺激により著明に細胞内カルシウムイオン濃度が増大し、これは、細胞内部からのカルシウム放出抑制剤によっては、影響されないことから、細胞外からの流入を引き起こしている可能性が高い。カルシウムイオンが、生体内で諸種生理活性をコントロ-ルしていることから、脈絡膜上板細胞(メラニン細胞もしくは線維芽細胞)が、脈絡膜の細胞外環境の緩衝、維持に関与している機能が示唆される。これは、脈絡膜上板が編目構造からなり、周囲組織外液と接触面積が大きい構造とも、矛盾しない機能とも考えられる。今後、病的状態との関連についてさらに検討する予定である。
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