研究課題/領域番号 |
63440069
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 茂夫 新潟大学, 歯学部, 教授 (40018403)
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研究分担者 |
佐藤 修 新潟大学, 大学院歯学研究科・日本学術振興会特別研究員, 大学院生 (80202092)
須藤 弘幸 新潟大学, 歯学部, 助手 (70206572)
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 助手 (40183941)
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キーワード | ラット歯根膜 / Ruffini神経終末 / terminal Schwann cell / nonーspecific cholinesterase / neurobilament protein / 免疫組織化学 / 歯髄神経 / 窩洞形成 |
研究概要 |
1.ラット切歯歯根膜Ruffini神経終末に付随するterminal Schwann cellの機能を明らかにする目的で、機械受容装置のマ-カ-物質のひとつであるnonーspecific cholinesterase(ChE)活性の検出を光顕的におよび電顕的に試みた。脱灰標本においてもこの酵素活性を明瞭に検出することができた。光顕下ではChEを示す円形の細胞は歯根膜歯槽骨寄りの部分に限局していた。細胞質は果粒状を示す反応産物で満たされていたが、核には反応産物は認められなかった。電顕下では反応産物は電子密度の高い像として観察された。その反応産物は軸索終末内には存在せず、Ruffini終末に付随するterminal Schwann cellの内腔の拡張した粗面小胞体中とperiaxonal regionに存在した。さらにシュワン鞘中の小胞にも反応産物が観察され、この細胞がChEに産生し、軸索終末の方へ運搬していると考えられた。terminal Schwann cellが強いChE活性を持つことから歯根膜Ruffini神経終末が形態学的に低い閾値を持つ機械受容装置のひとつであることが推測された。 2.ラット臼歯に窩洞形成を行ない、歯髄神経の動態をneurofilament protein(NFP)の免疫組織化学を用いて検索した。窩洞形成後1日では、NFP陽性神経からなる象牙芽細胞下神経叢を消失した。窩洞形成後5ー7日目になると、修復象牙質が形成されはじめ、NFP陽性神経も分化してきた象牙芽細胞の下層に増加してきた。しかしながら、この時期の神経は通常見られるものと異なりほとんどが数珠状の膨らみを持つものであった。窩洞形成10ー15日後には、窩洞直下には著明に修復象牙質が形成され、同部位に分布する神経も通常の形態を示すようになった。
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