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1988 年度 実績報告書

ヒト口腔扁平上皮および扁平上皮癌における抗核抗体・抗核小体抗体の局在と変異

研究課題

研究課題/領域番号 63440070
研究機関昭和大学

研究代表者

立川 哲彦  昭和大学, 歯学部, 助教授 (10085772)

研究分担者 菱川 健二  昭和大学, 歯学部, 助手 (50189784)
中村 雄一  昭和大学, 歯学部, 助手 (20180408)
河野 葉子  昭和大学, 歯学部, 助手 (40195681)
吉木 周作  昭和大学, 歯学部, 教授 (30085740)
キーワード抗核抗体 / 抗核小体抗体 / 非ヒストン蛋白質 / クロマチン / 癌マーカー
研究概要

我々はヒト舌扁平上皮癌細胞(NA細胞)より核を分離し、核内のクロマチンを高塩高尿素溶液で脱ヒストン化し、非ヒストン蛋白質ーDNA複合体を得た。この複合体を抗原としてウサギに免疫し抗核抗体を得た。この抗体を用い、ヒト口腔に発生した白板症、異型上皮増殖、乳頭腫、扁平上皮癌についてABC法で免疫組織化学的観察を行った。
扁平上皮癌であるNA細胞は細胞核にのみ褐色に染色されるDAB反応を呈し、抗核抗体が陽性所見を呈した。細胞膜は全く染色されなかった。正常扁平上皮ではいずれの層の細胞核も染色されず、抗核抗体反応陰性を呈した。白板症、乳頭腫では抗核抗体反応陰性を呈した。しかしながら、基底細胞の増殖傾向がみられ、核のクロマチン濃度も増加し、異型性を有する症例ではDABに薄く染色され、抗体反応は弱いながら陽性所見を呈した。異型上皮増殖では異型性が強くなるに従い、陽性反応を強く認めるようになった。初期浸潤癌及び扁平上皮癌では癌細胞の核が強陽性を呈し、その染色態度は核全体に強く染色されるもの、顆粒状に染色されるもの、淡染するものなど様々な染色態度がみられた。上皮内癌ではほとんどの癌細胞が抗体反応陽性を示した。また、細胞診は従来パパニコロー染色を中心として診断されたが、本研究では抗核抗体による染色を行ない癌の診断を試みた。その結果、核異型を有する癌細胞は細胞診においても抗核抗体反応が陽性を示し、十分に細胞診での応用が可能であった。以上のことより、非ヒストンーDNA複合体に対する抗核抗体は扁平上皮癌細胞により染色され、正常細胞と癌細胞を識別できた。なおかつ、癌との境界病変においても抗体の局在を認めたことより、細胞の形質転換時にこの抗体の出現が考えられ、発癌過における1つの癌マーカーとして使用できる可能性が十分に示唆された。今後この抗体が核のどこに局在するかを模索予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 立川哲彦: 歯科基礎医学会雑誌. 30. 72-72 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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