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1988 年度 実績報告書

下顎頭の成長及び老化に関する局所成長因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 63440072
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 不二男  大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)

研究分担者 浅田 彬  大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
加藤 幸夫  大阪大学, 歯学部, 講師 (10112062)
キーワード下顎頭軟骨 / 器官培養 / 成長因子 / TGFーβ / FGF / アルカリホスファターゼ
研究概要

胎児骨格の成長には既知のホルモンなどのsystemic factorのほかに軟骨や骨などの局所で産生され直ちに周辺の組織に影響を及ぼすことができるlocal factorによって調節されていると思われるが、その作用機構は全く解明されていない。特に胎児期から新生児期にかけては下垂体の成長ホルモンは未だほとんど作動していない。したがってこの時期には胎児各組織の内在性因子、すなわちlocal factorが大きく関与しているものと思われる。そこで本年度は出生直前のマウス下顎頭軟骨組織の器官培養系を材料として軟骨や骨に存在するautocrine factorの作用を検討した。出生直前のICRマウスより下顎頭軟骨を摘出し、0.1ウシ膵トリプシン溶液で10分間、37℃で処理した後、10%ウシ胎仔血清を含むDMEM-Ham F-12培地に移し、軟骨膜を除去した。これをステンレススチール製グリッドにのせたコラーゲン・スポンジの上にのせ、20mm穴のマルチウェルプレート内で培養した。この実験系にTGF-β_1(2ng/ml)を添加して培養すると24時間後には┣D13HーチミジンのDNAへの取り込みが30%上昇し、48時間後には対照群の5倍に達した。オートラジオグラフィーを行ったところ24時間までは┣D13┫D1Hーチミジンで標識された細胞の大部分が前駆軟骨細胞層に局在していた。しかし48時間後には分化した軟骨細胞にも┣D13Hーチミジンの標識が移行していた。したがったTGFβ┣D21┫D2により細胞増殖が促進されるのは軟骨原性細胞(Cartilage progenitor cells)であると結論しうる。ところが、TGFβ┣D21┫D2は培養1日目から10日に至るまで、分化機能の指標であるアルカリホスファターゼ活性の上昇を強く抑制することが分かった。又、これに伴って┣D145┫D1Caの取り込みも低上した。又、TGFβ┣D21┫D2の代わりにFGF(1.2ng/ml)を添加しても全く同様の結果が得られた。以上の事実は、軟骨細胞のautocrine factorであるTGFβやFGFが前駆軟骨細胞の増殖は強く促進するもののterminal differentiationをすることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 佐藤克彦 他: 日本骨代謝学会雑誌. 6. 10-12 (1988)

  • [文献書誌] Y.Hiraki;et al.: Biochim.Biophys.Acta. 969. 91-99 (1988)

  • [文献書誌] 大前博昭 他: 歯科基礎医学会雑誌. 30. 646-651 (1988)

  • [文献書誌] Y.Kato et;al: Proc.Natl.Acad.Sci.85. 9552-9556 (1988)

  • [文献書誌] 加藤幸夫 他: 日本骨代謝学会雑誌. 7. 16-20 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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