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1990 年度 実績報告書

歯科修復用レジンの口内寿命予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63440073
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

細田 裕康  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30018410)

研究分担者 猪越 重久  東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (60143583)
山田 敏元  東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40134712)
キーワードコンポジットレジン / レジンの分類 / 耐磨耗性 / SEM / 化学的劣化 / 機械的性能 / 画像処理 / レプリカ法
研究概要

本年度は,先年度までに行なわれた研究の成果にもとづいて,各種レジンを実際の口腔内に充填し,その経時的変化をレプリカ法を応用してSEMにより検討し,併せて輪郭形状測定機を用いて咬合接触部位と非接触部位の磨耗の状態を検討した。これらの臨床的な成績と,従来より教室において行なわれている磨耗試験機を用いた場合の人工磨耗の成績の相関性についても検討した。その結果約1ケ年に亘る口中試験の結果と人工磨耗の結果に高い相関のあることが明らかとなった。従って長期の口内試験を行なわなくとも,人工磨耗試験を行ない,長期のin vivoの予測を行なえることが示された。またレジンの分類によれば,セミハイブリッドに属するものが高い耐磨耗性を示し,この方向でより口内耐久性の高いレジンを開発すれば良いことが示唆された。さて化学的劣化については,これも約1ケ年に亘る口内試験と実験還境における劣化についてSEMを用いて詳細に比較したところ,口内試験による結果と,0.1N NaOH 60℃溶液中での劣化がほぼ相似した像を示した。これにより口腔内でおこるレジンの化学的劣化を容易に実験還境で再現出来ることが明らかとなった。また実際の口腔内で劣化や磨耗によって減少した部分の補修には,酸エッチング,シラン処理材及びボンディング材併用後,セミハイブリッドに属するレジンを追加修復すれば,良好な予後が得られることが示唆され,臨床上大変有意義な知見が得られた。これらの知見はレジンの新しい分類法と併せて,内外の学術雑誌に掲載され注目をあびている。最後にFTIRを用いた実験では,炭素のダブルボンドを指標としてレジンの重合率に検討を加えたところ,主に光線重合のものは,重合後しばらくは重合率が上昇するものの,口腔内や実験環境での条件のもと重合が停止し,重合体が逆に切断されてゆくことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山田 敏元,細田 裕康,鶴貝 隆男: "コア用コンポジットレジンの分類と理工学的諸性能" 歯科材料・器械. 9. 205-217 (1990)

  • [文献書誌] 堀江 恭一,佐藤 暢昭,河北 浩,細田 裕康: "臼歯用レジンの咬磨耗試験について 第一報 In vivoに対応した咬磨耗試験法の試み" 歯科材料・器械. 9. 289-294 (1990)

  • [文献書誌] 佐藤 暢昭: "臼歯修復用レジンの咬耗に関する研究ー臨床試験およびin vitro試験による評価ー" 日本歯科保存学雑誌. 33. 345-385 (1990)

  • [文献書誌] 稲井 紀通: "臼歯修復用コンポジットレジンの追加充填曲げ接着強さに関する研究(第2報)" 日本歯科保存学雑誌. 33. 386-426 (1990)

  • [文献書誌] 細田 裕康・山田 敏元: "クリアフィルライナ-ボンドを用いた新しい歯質接着性コンポジットレジンシステムに関する臨床的研究ー短期的観察ー" 日本歯科保存学雑誌. 33. 1623-1636 (1990)

  • [文献書誌] Hiroyasu Hosoda,Toshimoto Yamada,Shigehisa Inokoshi: "SEM and Elemental Analysis of Composite Resins" Journal of Prosthetic Dentistry. 64. 669-676 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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