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1988 年度 実績報告書

炎症歯髄に関する臨床的および基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63440074
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

須田 英明  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (00114760)

研究分担者 砂川 光宏  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30179288)
砂田 今男  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50005013)
キーワード歯髄 / 歯髄炎 / 単一歯髄神経 / 反復興奮 / 持続的発射 / 下歯槽神経 / 頚髄ニューロン / 連関痛
研究概要

1.須田は炎症歯髄の末梢神経系における情報伝達について、ネコ犬歯歯髄を用いて実験を行った。その結果、歯髄に傷害性刺激を持続して加えると歯髄神経には一過性の応答過敏化が生じた後、応答性が低下することが明らかとなった。なお、初期の応答の過敏化が生じている期間は持続的発射あるいは一発刺激に対する反復興奮が見られることがあった。また、伝導速度の大きい神経線維の応答性の変化は、伝導速度の小さい神経線維よりも早く生じた。すなわち、伝導速度の大きい神経線維の応答性が著しく低下した後でも、伝導速度の小さい神経線維はその応答性を維持した。このような歯髄神経の応答性の変化は、ヒトの歯髄炎の際に惹起される感覚と深く関連しているものと推察された。
2.砂田は急性歯髄炎が他の身体領域に及ぼす影響について臨床的研究を行った。その結果、急性の歯髄の痛みが身体他部位に影響を及ぼし、機能的異常を引起していると考えられる症例が多数観察された。しかもこのような現象を引起す原因は、前歯部よりも臼歯部に多く、急性の歯髄の痛みは直接的に、あるいは咬合機能などを介して間接的に連関痛を始めとする異常を誘導する可能性が示唆された。
3.砂川は、歯髄炎における中枢神経系内の歯髄駆動ニューロンの反応特性を検索した。その結果、ネコ犬歯歯髄または下歯槽神経に加えた電気刺激に対して反応するニューロンが頚髄より記録された。これらのニューロンは10msec以上の長い潜伏時間を有するものと、10msec未満の短い潜伏時間を有するものとの二群に分類できることがわかった。また、これらのニューロンの中のあるものは、頚部筋群よりの入力をも受けていることが証明された。これらの所見は、歯周あるいは歯髄疾患患者に認められる、筋の緊張状態や痛みに関係するものと推察された。なお、大脳皮質から歯髄駆動ニューロンを記録するには至らなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 須田英明: 日本歯科保存学雑誌. 31. 1459-1465 (1988)

  • [文献書誌] 須田英明: 日本歯科保存学雑誌. 31. 1210-1217 (1988)

  • [文献書誌] 池田英治: 日本歯科保存学雑誌. 31. 1202-1209 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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