研究課題/領域番号 |
63440084
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
山川 純 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (70060738)
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研究分担者 |
赤羽 多美子 日本女子体育短期大学, 体育科, 教授 (40070601)
平尾 智恵子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (10060740)
加賀谷 淳子 日本女子体育大学, 体育学部基礎体力研究所, 教授 (80083096)
深山 智代 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (70060746)
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キーワード | 日常生活 / 心拍数 / 高齢者 / 農業従事者 / 専業主婦 / 事務職 / 個人差 / 運動プログラム |
研究概要 |
本研究は、性年齢、生活環境の異なる対象の日常生活活動特性を明らかにし、その特性に基づいた運動負荷設定法を明らかにし、運動プログラム作成上の留意点を検討した。農業に従事している女性(46ー65歳)の心拍数相対強度(最大心拍数までの増加分に対する割合)は農作業時でも平均26.5%に過ぎず、農作業従事者といえども健康維持のための運動を別に行う必要のあることが明らかになった。都市部で事務仕事に従事している男女(41ー54歳)の歩数と移動距離をもとに歩行速度を算出すると通勤時は77m/分であった。この速度を超える歩行時間を増やすことは健康増進のための運動の第1歩となると思われる。スポ-ツ教室に参加している活動的な専業主婦(35ー55歳)の心拍数別出現時間は、意図的運動日と平日では心拍数90拍/分以上の時間に有意差があった。90拍/分以上の心拍数と時間の間には、logT=aHR+b(ただし、T:心拍数出現時間、HR:心拍数)の関係が成立した。年齢の異なる対象の心拍数を比較するため、安静時あるいは睡眠中の最頻値を基準として、そこからの増加分が、最大心拍数までの何%になっているかを求めた。それと心拍数出現時間との間には対数関数関係が成立した。作成された関係式から、日常の活動強度にあわせた運動強度ー時間を個人別に選定することが可能である。次にスポ-ツ教室参加の高齢男女(63ー85歳)の運動実施中の心拍数をみると平均69ー114拍/分に分布し、個人差が大きかった。又、90拍/分以上の心拍数出現頻度と歩数との間には正の相関は得られず、高齢者では歩数だけを処方基準としてよいとは思われない。高齢者では個人に対応した運動プログラムを作成する必要のあることが示された。実際の運動場面では同一コ-ト内でスポ-ツをする人数やボ-ルの数、ボ-ルの移動距離などを変えることにより、個人に合わせた運動強度を持つプログラムの作成が可能であると考えられる。
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