研究課題/領域番号 |
63440089
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
渡 仲三 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40079976)
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研究分担者 |
金井 美晴 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70094365)
堀田 康明 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90117854)
馬渕 良生 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80106228)
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キーワード | 膵臓内・外分泌部 / 脂質貯蔵細胞 / ハリ治療 / 灸治療 / 隣接切片対応法 / 免疫組織化学 / プロテインAーゴ-ルド法 / ビタミンD,E |
研究概要 |
本研究は昭和63年度より平成2年の3年間に亘る研究のため平成2年度は最終年ということになる。従って、過去2年間に計画しながら実施出来なかった研究を重点的に行い、同時に3年間のまとめを行なった。その研究成果を要約すればおよそ次の如くである。 (1)「脂質貯蔵細胞(lipidーstoring cell)」の形態と機能についての研究:これについてはすでに昨年度にも一部報告したが、本年度は脂溶性ビタミンの内、特にD,Eについて、これを動物に投与してその動態を研究した結果、「脂質貯蔵細胞」の脂質滴が増量し、ビタミンD、Eもこの細胞系に貯蔵される可能性が間接的に証明された。(2)東洋医学のハリ・灸の膵臓内・外分泌部の傷害に対する効果の研究:マウスの老化に伴う膵傷害がハリ治療によって改善されることが、超微形態的に解明された。また、ラットに四塩化炭素を投与して膵傷害を惹起せしめると共に、これに灸治療を施したところ、四塩化炭素による膵臓内・外分泌部の傷害が改善された。なお、灸それ自身が、膵の「脂質貯蔵細胞」を増加させ、生体の防御機構を改善することがイモリの研究で解明された。(3)免疫組織化学および「隣接切片対応法」を用いての膵島細胞の同定についての研究:これについては下等脊椎動物のヘビ、キノボリトカゲ、ネコザメ、ブリ等の膵島を用いて、これに免疫組織化学の一つである「プロテインAーゴ-ルド法」を応用し、膵島細胞を染色したところ、今まではっきりしなかった膵島細胞の内、グルカゴン分泌A細胞、インスリン分泌B細胞およびソマトスタチン分泌D細胞が同定出来、かつ、膵島内におけるこれらの細胞の分布状態が解明された。 以上の各研究テ-マについては、さらに研究を続けてその成果を発展させるつもりであるが、初期の研究目的はほぼ達し得られたと考えている。ご協力・ご援助を賜った関係各位に深謝申し上げる次第である。
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