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1989 年度 研究成果報告書概要

空海の密教思想の超越論的構造

研究課題

研究課題/領域番号 63450003
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 印度哲学
研究機関山口大学

研究代表者

村上 保壽  山口大学, 教養部, 教授 (30004047)

研究期間 (年度) 1988 – 1989
キーワード空海 / 密教 / 十住心思想 / 世間心 / 出世間心 / 第十秘密荘厳心 / 弁証法的論理 / 如来蔵
研究概要

1.空海の密教思想における超越論的構造をさぐるために、今年度は十住心思想の論理的展開の構造に中心を置いて研究した。その結果、第一住心から第十住心までの展開構造が、二重の意味で三段階の展開になっているという知見を得た。
2.すなわち、空海の十住心思想は、従来、竪横の二元的二重構造によって理解されてきたが、この構造では、その論理的展開が充分に把握することができない。すなわち、住心間の展開の必然性がダイナミックに説明できないからである。そこで、世間心の三住心の論理が否定の論理であることに注目した結果、十住心思想の論理が弁証法的な三段階の展開になっていることが分かった。
3.以上の知見から、世間心の三住心は、閉ざされた世界-開かれた世界-閉じられた世界の三段階の世界構造であると把握することができた。その結果、この三段階の世界構造は十住心世界全体においても妥当し、世間心-出世間心-第十秘密荘厳心という三段階の心の展開であり、その世界は、閉ざされた-開かれた-閉じられた世界構造になっているという知見を得たのである。
4.この研究のさらなる発展のためには、第十住心の世界が世間心と出世間心との総合であること、しかしその論理がたんなる否定の論理ではなく、最高の肯定の論理であることを論証する必要がある。それとともに、空海に大きな影響を与えた『釈摩訶衍論』の研究と「不二」概念についての考察の必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 村上保壽: "空海の「世間心」の論理" 北陸宗教文化. 1. 20-31 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 村上保壽: "十住心思想における「世間心」の構造" 宗教学研究. 21. 109-127 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 酒井真典,他: "堀内寛仁先生喜寿記念・密教文化論集" 密教文化論集刊行会, 785 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yasutoshi Murakami.: "The Logic of Kukai's Worldly Mind; the First Three of the Ten-Stepped Rung of the Human Mind" RELIGION AND CULTURE, Vol.1, 20-31, 1989.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yasutoshi Murakami.: "The Structure of the Worldly Mind in the Jujushin-Thought" MIKKYO GAKU KENKYU, No.21, 109-127, 1989.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shinten Sakai and others.: "Thought and History of Esoteric Buddhism Essays in Honor of Prof. Kanji Horiuchi on His Seventy-Seventh Birthday" Department of Esoteric Buddhism Koyasan University, 103-121, 1989.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1993-03-26  

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