研究概要 |
平成2年度には以下の研究をおこなった。 1.心拍率制御の研究 バイオフィ-ドバック法を用いた心拍率(HR)制御において認知(HR)制御感)がどのような影響を与えるのか検討した。その結果,(1)不安場面でHRを減少させるには実際のHRを隨伴したBF信号を呈示することが有効である,(2)HR制御感を得られない群の方が不安場面でのHRが低く抑えられる,(3)制御感が得られないと被験者は努力する。そのため制御成績がよくなることが明らかにされた。 2.タイプA者のストレス対処方略の検討 タイプA行動様式に特有なストレス対処方略について調査・研究をおこなった。そして,(1)タイプA行動者は25%程度存在する,(2)タイプA者は対人関係においては積極的であるが,トラブル耐性が低く,しかも原因を相手に帰する傾向がある,(3)また物事をポジティブに把え操作しようとする等の特徴を持っていることを実証した。 3.心臓血管系反応に及ぼすストレスの効果 血圧を指標として言語的なストレスを与えることでどのような影響が見られるか実験的に検討した。その結果,(1)ストレスに対する反応性は個体差が大きいが4群にわけられる,(2)ストレス反応性の高いものはストレスの影響が加算される,(3)ストレス反応性の低いものは影響がすくなく回復が早いことが明らかにされた。
|