研究課題/領域番号 |
63450024
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 日本大学 (1989-1990) 千葉大学 (1988) |
研究代表者 |
大塩 俊介 日本大学, 文理学部, 教授 (50083192)
|
研究分担者 |
松岡 雅裕 日本大学, 文理学部, 助手 (70209518)
後藤 範章 日本大学, 文理学部, 専任講師 (70205607)
池田 寛二 日本大学, 農獣医学部, 専任講師 (60144622)
夏刈 康男 日本大学, 文理学部, 助教授 (00112920)
鷹取 昭 日本大学, 文理学部, 教授 (30059092)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
キーワード | 地域保存 / 地域開発 / 地域構造 / 地域変動 / 地域イメ-ジ / 地域評価 |
研究概要 |
本研究は、国の保存地区指定以来10年の間に、それぞれの地区にどんな社会経済的変化が、また住民の保存意識にどんな変化が現われているか、を明らかにすることを目的としている。それは今後の保存政策を考える上でも重要なデ-タとなると考えられる。 調査対象には次の三つの異った地域類型を選び、それらの比較分析を行った。 1)都市の商業地(伝統的商家町)ー高山市三町ー昭,63年度調査 2)都市の住宅地(旧武家屋敷)ー萩市堀内ー平、1年度調査 3)山村集落(旧い宿場町)ー下郷町大内宿ー平、2年度調査 調査結果の概要として、以下の点を挙げることができる。 1、高山三町には以前から三つのボランタリ-な保存会があり、現在も活発に活動している。屋台藏を中心とした地区組織が基礎となっており、これは他地域にみられない強みで、住民の保存意識も強い。 2、しかし若い世代の経営の近代化へのニ-ズ、および店舗のみの商家の増加傾向は、今後の地区保存にとってマイナス要因となる可能性がある。 3、萩堀内の場合、旧い住民にとって武家屋敷の土塀は伝統的価値として誇りとなっている。しかし新しい流入人口の間には保存意識は弱く、また土地の細分化、車の出入への要求が、土塀の保存を危くしている。 4、また地域の組織性がないこと、保存によって経済的メリットが何もないこと、などが保存にとってマイナス要因となるかもしれない。 5、大内は生活の近代化への要求が強く、保存への合意形成が難行し、その影響はなお現在も住民の足並みを不揃いにしている。 6、しかし保存された茅葺き屋根が観光資源となり、観光開発の効果は著しい。むしろ急速な観光開発が、保存にマイナス効果となる可能性がある。
|