研究課題/領域番号 |
63450036
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
飯高 京子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40014716)
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研究分担者 |
堀口 秀嗣 国立教育研究所, 所員 (70103702)
上野 一彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20012578)
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キーワード | 文字習得のレデイネス / 特殊学級在籍児童 / 3-5歳健常児 / 縦断および横断研究 / 多領域の発達的関連 / 教育工学的手法 / 手書き文字判断システム |
研究概要 |
本年度は読字・書字の発達に関してさらに以下の検討を行った。 1)読み書きのレデイネスに関する基礎調査の継続 まず、特殊学級在籍児童62名のひらかな、清音、50字の読字・書字能力の発達について、学級担任の協力を得て実態調査を行ない、同時に、関連して発達すると予想される側面についても検討した。それらは、簡単な幾何図形の理解と呼称、および8種の粗大運動機能と9種の手指の微細な協応運動などである。、その他、各児童の構音および構音機能の発達、発話明瞭度、音韻分解能力の発達状況については、個別に検査した。結果としては、これらの諸側面の発達はそれぞれ、読字・書字の発達と有意な相関を示していた。つまり、文字が読み書きできるようになるまでには、粗大、微細運動面の発達、構音や構音器官機能の成熟、視覚系の図形の認識、聴覚系の音韻分解能力など、多領域における発達が準備されることが前提となる。この結果については、第27回特殊教育学会において報告した。 次に、上記の特殊学級児童のうち、3年間の発達経過資料のそろっている事例について、読字・書字の発達との関連において検討した。その結果、身体の粗大運動および手指の微細な協応運動と語彙年齢の発達は一貫して読字・書字の発達と有意な相関を示すことが明らかにされた。この結果は第13回神経心理学会において報告した。 2)かな文字の手書き文字判断システムの整備・検討 堀口によって開発されたひらかな分析装置を、効率的に使用するプログラムを検討するために、ひらかな清音および簡単な幾何図形の構成要素の分解および再構成能力の発達を3歳から5歳児90名について調査した。その結果、文字の歪みは加齢にともない鏡映文字へと集約されるなどの知見が得られ、今後の詳しい分析課題の準備を続行中である。
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