研究課題
本研究は、コンピュ-タの音声による入出力手段を用いることにより視覚障害、聴覚・言語障害・さらに肢体不自由の感覚・運動系の障害領域での学習と訓練をより効果的に進めることを目的としてきた。最終年度にあたる本年度においては、音声認識装置と音声合成装置の利用を教育実践の側面から検討を行うことにある。システムの障害児教育への応用として、4種類のソフトウエア群が開発された。視覚障害教育用として、1)「空間概念習得を支援する模擬体験CAI」と、2)「盲教育用汎用CAI教材作成支援システム」が、聴覚・言語障害教育題として、3)「言語学習訓練システム」が、さらに肢体不自由教育用として、4)「ロボット操作による学習訓練システム」のそれぞれが作成された。ソフトウエア1は音声合成装置を備えており、学習訓練への注意の集中、繰り返しの容易さ、状況を言葉で説明することの重要性の確認等から実体験と合わせて用いると効果的であることが明らかとなった。2の支援システムも音声合成装置を備えており、児童生徒にとり問題回答に対する正誤の確認の即時性や繰り返し効果、個別学習への対応、学習歴の記録等に効果がみとめられ、今後多くの教材の作成が期待される。3つのシステムは文字は学習と発声・発語訓練の融合を目的としている。絵カ-ドは聴覚障害の児童生徒への視覚情報として、絵のアニメ-ション的動きも児童生徒に興味関心を引き起こし学習意欲を高めるのにそれぞれ有効であることが明らかとなったが、融合システムの実践検討を深めることがさらに必要である。4のシステムの基本構成は3のシステムに無線による移動可能なロボットを組み合わせたものである。肢体不自由教育で特に必要とされる表出手段の高機能化からコミュニケ-ション能力の向上に有効であることが確認された。
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