研究課題/領域番号 |
63450053
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大島 直行 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80117605)
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研究分担者 |
川内 基 北海道文化財研究所, 研究員
松村 博文 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70209617)
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70145225)
百々 幸雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50000146)
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キーワード | 続縄文時代 / 恵山文化 / 貝塚 / 墓址 / 改葬墓 / 骨角器 / 貝製品 |
研究概要 |
当初計画どうり昭和63年7月に、北海道伊達市有珠10遺跡の発掘調査を実施し、次のような成果をえた。 1.恵山期の埋葬遺構 10ケ所認めた。いずれも改葬墓であった。改葬のかたちは様々であったが、なかでも特徴的なのは、複数個体の骨が、特に墓壙を設けずに、乱雑に集積されているもので、3ケ所検出した。いずれも各個体の全身骨がすべて揃っておらず、部分骨の集積である。おそらく、改葬にともなって生じた現像と思われるが、これが二次埋葬としての構造かどうかは、さらに検討が必要である。 2.縄文晩期の埋葬遺構 この時期の埋葬遺構の検出は、本遺跡でははじめてである。3ケ所発見した。3ケ所のうち2ケ所は原埋葬であったが、残る1ケ所は改葬された原埋葬墓で、とり残されたと思われる手および足の指骨が、壙底面に散在していた。原埋葬墓のうち16号墓としたものには、2体の女性成人骨が仰臥屈葬で埋葬されていた。特筆すべき点は、両人骨とも左前腕に、貝製腕輪を装着していたことである。1体には6枚、もう1体には2枚の貝輪がつけられていた。このうち、それぞれの1枚は、南海産オオツタノハ製の貝輪であった。北海道におけるオオツタノハ製貝輪の出土は、今回がはじめてで、その装着例は全国的にも皆無である。 3.もっとも重要と思われる出土遺物 貝製品である。これまでに出土していたものも含めると、約6000点に達するが、いずれも本州からの伝播品である可能性が高く、当時の交易のあり方などを考える上での重要な資料といえる。
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