研究概要 |
2ケ年(昭和63年度・平成元年度)にわたって実施した北海道伊達市有珠10遺跡の発掘調査の整理作業を実施すると同時に、出土資料や遺構についての研究を行なった。 1.有珠10遺跡発掘資料の整理 当初計画どうり、土壌(貝層を主体とする)サンプルの水洗と分類作業を実施した。30×50cmの資料袋580点の処理を終えた。処理後、自然遺物は、種別の分類と種名の同定を行なった。文化遺物は、保存処理を施した後、前年度までの出土品も含め、実測図の作成と写真の撮影を行なった。人骨資料については、復原作業の後、計測を行なった。 2.資料の分析 文化遺物については、特に前年度までにその出自などに関して問題となっていた貝製品を中心に,本州の出土例との比較検討を行なった。結果の一部については,すでに論文発表した(「11.研究発表」参照)。人骨についても,本州各地の出土人骨との比較検討が行なわれ,すでにその概要が発表されている(「11.研究発表」参照)。自然遺物については,恵山期の生業活動の復原をテ-マに,主として狩猟・漁撈具との関連性が追求された(調査本報告書に発表予定)。 3.研究のまとめ/報告書の作成 本研究は、昭和60年より実施した予備的調査も含め,5ケ年の発掘調査からなる。発掘調査の所見,出土遺物・人骨の研究成果の報告書については,本報告とは別に刊行を予定し、現在製作中である。
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