研究課題/領域番号 |
63450060
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
池谷 彰 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40016572)
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研究分担者 |
八木 孝夫 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70119527)
河野 継代 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60153483)
長原 幸雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10106297)
梶田 優 上智大学, 外国語学部, 教授 (60015378)
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キーワード | 文法理論 / 言語習得 / Parameter / 核と周辺 |
研究概要 |
1.各文法理論の本質的特徴を明らかにし比較する上で、本年度は特に言語習得の観点からの検討に力を入れた。語彙機能文法の枠組によるPinker(1984)Language Learnability and Language Developmentや「原則と可変部」理論によるRoeper & Williams(1987)Parameter Setting等の言語習得研究を取り上げ、動的文法理論の考え方と常時照らし合わせながら、検討した。その結果 (1)習得に関する実証的研究が深まるにつれ、GB理論等の想定している言語習得過程と合わない事実が色々と発見されてきている、 (2)パラミターの値やその優先順序に関する設定について動的文法理論の観点からは自然な説明が得られる可能性が大きい、 (3)パラミター付きの原則をパラミターを用いない原則に述べ直し得る場合があり、両者は習得過程に関する予測が異なる、 等の知見が得られた。また、「原則と可変部」理論における核と周辺の関係について問題点を整理した。 2.「原則と可変部」理論の枠組においてBaker(1988)Incarparationのように、従来関係文法や語彙機能文法が得意としていた分野の言語事象を広く本格的に扱った重要な研究が現れたので、その成果について共同討議した。 3.モンターギュ文法については、創始されて以来の研究成果を一度集大成する必要があると考え、本年度は名詞・形容詞について整理した。来年度は動詞についてまとめる予定である。また、最近、モンターギュ文法からHPSG文法への発展が見られるので、その要点を整理した。(池谷(1989)参照。) 4.英語の実証的研究に関しては、現在着手している研究を来年度は更に本格化させたい。テーマには、動詞の意味と続語法、関係節、前提、Scope、分裂文等が含まれる。また、本年度末近くに、Bergen大学より、現代英語データベースのBrown Corpus,LOB Corpusを入手したので、来年度より本格的に利用する計画である。
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