研究課題/領域番号 |
63450060
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
池谷 彰 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40016572)
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研究分担者 |
河野 継代 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60153483)
八木 孝夫 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70119527)
長原 幸雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10106297)
梶田 優 上智大学, 外国語学部, 教授 (60015378)
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キーワード | 文法理論 / 言語習得 / GB理論 / 動的文法理論 / 拡張 |
研究概要 |
1.動的文法理論の理論構築にかなりの進展が見られた。同理論においては、これまで活発だった周辺寄りの領域に関する事例研究に加えて、核の領域に関わる事例研究に進展が見られ、それに平行して、拡張の原理に関する研究が進んだ。具体的には、(1)文法理論はいかなる種類の情報に言及するか、また文法理論と個別文法の関係は何か、(2)大人の文法には習得過程に関わるどのような情報が残されるか、(3)最初期の言語習得はどのような原理にもとづいて行われ、それが後の言語習得にどのように影響するか、(4)「構文」の概念の必要性、等についての仮説構築が行なわれた。そして、それに伴う事例研究として、(1)Jackendoffの概念構造の理論をひとまず採用した上で、基本的な意味類と表現手段の対応について、(2)wh疑問文のような作用域を変項に関わる言語事象について、同理論ではどう扱うかについて検討した。又、以上の作業の過程において、GB理論や構文文法等との方法論的異同が色々と明らかになった。 2.GB理論については1で触れた以外に、Baker(1988)Incorporationの検討を書評の形でまとめ、問題点について指摘した。 3.モンタギュ-文法に関しては、形容詞や副詞に関するこれまでの研究成果を整理した。 4.以上で触れた以外に、英語の実証的研究として、関係節やeven,only等の焦点化副詞に関わる諸問題について調査、研究した。これらの研究は、現行のどの文法理論にとっても興味ある言語事象を指摘しており、今後の理論的研究に対する貢献が期待できる。
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