研究課題/領域番号 |
63450062
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神沢 栄三 名古屋大学, 文学部, 教授 (60022365)
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研究分担者 |
伊東 泰治 中部大学, 国際関係学部, 教授 (30023518)
植田 裕志 名古屋大学, 文学部, 助手 (40193792)
小栗 友一 名古屋大学, 総合言語センター, 教授 (50023601)
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キーワード | クレチアン・ド・トロワ / ハルトマン・フォン・アウエ / ヴォルフラム / 散文ランスロ / 宮廷騎士道物語 / 愛 |
研究概要 |
1.(共同研究)共同研究の成果が上がるように、隔月に各人の研究成果を持ち寄って研究報告会を開き、討論と情報交換を通して各研究が有意義にリンクされてゆくように留意した。その結果、神話的・民話的であったフランスの宮廷騎士道物語がドイツでの受容と翻案にあっては写実主義的性格の物語となっていくこと、それが単にフランスとドイツという文化的背景の相違によるばかりでなく、フランスとドイツに共通した文学傾向の歴史的変化の反映であることについて意見の一致を見た。 2.(個人研究)神沢は宮廷騎士道物語の主要テ-マのひとつである宮廷風恋愛についてそのトルバドゥ-ル以来の起源からルネッサンス期にいたる流れに注目し、その成果を『國學院雑誌』に発表した。小栗はフランスの『ベルスヴァル』とそのドイツでの翻案作品である『パルチヴァ-ル』とについて、主人公の少年時代の描き方という点から比較研究しその成果を本報告書に発表予定。植田はフランスの散文ロマンスの物語構造の特質を明らかにすべく、「編み上げの技法」の概念を整理した上で、とくに『散文ランスロ』における物語の技法を研究し、その成果を名大中世文学研究会において口頭発表した。伊東は同じ類型の男女の組み合わせとして、ドイツ作品のエ-レクとエ-ニ-テ(ハルトマン)およびオルリスとエシュ-テ(ヴォルフラム)をそれぞれもとのフランス作品のエレックとエニッド(クレチアン)および『ペルスヴァル』中のある男女を取り上げて比較検討し、その成果を名大中世文学研究会で口頭発表して、さらに詳細に本報告書で発表する予定である。
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