研究課題/領域番号 |
63450084
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
新飯田 宏 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (90017947)
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研究分担者 |
矢野 誠 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (30191175)
加納 悟 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50114971)
倉沢 資成 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40018057)
藪下 史郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (30083330)
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キーワード | 金融の自由化 / 金融の国際化 / 競争と政府規制 / 金融仲介機関 / 先物 / オプション / 資産価格の変動性とカオス / 不完全市場と不完全情報 |
研究概要 |
初年度は主として理論的研究に時間をさき、従来の研究成果の整理、検討を行うとともに、月の数回の研究会を開き活発なディスカッションを行ってきた。現在までの研究状況を具体的に述べれば、以下のとおりである。 (1)金融業における政府規制の緩和と競争促進などの経済効果をまとめた。具体的には、自由金利商品の拡大、外国金融機関の進出、金融仲介業の垣根の撤廃など、今日の日本の金融市場をとりまく諸問題を理論的に整理考察した。 (2)不完全情報のもとでの金融市場における信用の配分について、理論的に分析した。さらに、株式市場などを通じた直接金融と比較することにより、銀行などの金融仲介機関をつうじて行われる間接金融の役割をあきらかにした。 (3)最近ひろく取り引きされるようになった株価指数先物や、今春、導入されるオプション取引の経済的機能を分析した。また、ポートフォリオ・インシュアランスと株式価格の変動性の関連などについて理論的検討をおこなった。 (4)資産市場の実証分析において、最近用いられている統計手法のかずかずを整理した。たとえば、株式収益率および株価の変動性やカオス現象の分析など、新しい話題についても取り組み、実証分析をおこなうばかりとなっている。 (5)不完全市場における先物市場開設経済厚生への影響に理論的説明を加えた、先物取引の経済的効果には、直物市場への外部経済効果と、先物契約がもつ保険機能の不完全性による効果があることを示した。さらに、課税などの規制によって、先物市場の効率性が高まる可能性があることを示した。
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